第12話 自由世界へのご招待
彼らは、いろいろな名称で呼ばれていた。
仙人、ニート、聖者、乞食、覚者、狂人、修行者、変人、傾奇者、自殺願望者……
実にいろいろな名称で呼ばれていた。
それは、彼らの生まれた国や民族や地域によって、彼らの扱いが異なっていたからだ。
ある国は、彼らを尊敬すべき者たちだとし、別の国は、やっかいな国のお荷物的な存在だとしていた。
だが、彼らに共通するのは、彼らが、あくまでも自分の意識の世界を育成しようとしていたという点だ。
育成内容は同じではなかった。
それは俺の自由世界のミニ世界と似ている。
俺の自由世界の中のミニ世界群は、それぞれの魂が自由に創造するプライベート世界だから、当然、個性が反映されて千差万別となる。
俺には、彼らが世界中に点在したミニ世界創造者たちに見えた。
意識の目で見ると、そう見えるのだ。
だから、彼らの内的世界は、千差万別だった。
彼らの内面はとても個性的だった。
彼らは個であり、集団の一部ではなかった。
彼らは、社会が何と言おうと、ひたすらマイウエイを突き進んでいた。
表向きは、社会に迎合しているように見せていても、それはあくまで仮面だった。
そして、そうした魂たちの多くは、俺の話を聞きたいと言ってくれた。
彼らは、「反」社会的ではなく、「非」社会的だった。
その意識の中で、彼らは、現実と呼ばれる世界や社会を丸ごと既に捨てていた。
彼らは、陰陽のマークの陰でも陽でもなかった。
そのマークの平面からすでに自力で垂直上昇していた。
俺は、そうした者たちを俺の自由世界に招待した。
そして、彼らの多くは、二度と元の世界に戻らなかった。
彼らは、俺の自由世界でミニ世界の創造主となり、さらに進化して、彼ら独自の自由世界を創造する創造主となったりもした。
このようにして、俺は、新しい自由世界の仲間を得はじめた。
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