第12話 近所の双子ロリと
生徒想いな担任教師と秘密の個人授業をしたせいでメンタルゲージがずいぶんと削られてしまったので、ちょっとした癒しを求めて近所のロリっ子に手を出すことにした。
休みの日に公園に行けば彼女たちはだいたい遊んでいる。
ふらりと立ち寄った私に気がついた双子ちゃんの片割れが「わー!」と寄ってくるのをかどわかして、大きめの公園にはありがちな屋根のあるスペースに連れ込む。
長椅子とテーブルがあるそこはちょうど今は
足の間に座って足をプランプランさせながら背もたれてくる彼女のほっぺをむぃむぃと弄っていると、双子ちゃんのもう片割れがちょっぴり離れて隣に座った。
一卵性双生児であるふたりは、容姿はまったく瓜二つだけど雰囲気が全然違う。
私にじゃれついて今日あった楽しいことを一杯教えてくれるおねえちゃんは人懐っこくて、いかにも女の子っぽいワンピースを着て大きなリボンとかつけてる。
ちょっと恥ずかしがり屋で、私の手が届くぎりぎりの場所に座るいもうとちゃんはブレザーにベレー帽みたいな丸い帽子。なでなでのために帽子を両手できゅっと握って上目遣いに見つめてくれる彼女をなでなでしない理由はもちろんどこにもない。
そんなふうにただ可愛がって癒されるだけのつもりだったんだけど、実際にふたりを前にするとちょっと試してみたくなってしまう。
「ところでふたりとも、お小遣いとかほしくない?」
いかにも不審者っぽい言葉とともにリルカをちらつかせる。
おねえちゃんはちょっぴりおびえた様子で、いもうとちゃんは興味津々。
くいっと引き寄せてみればいもうとちゃんはおそるおそるといった様子でぴとっと身体を寄せてきて、股の間のおねえちゃんはもじもじと俯いてしまう。
「ふたりってスマホは持ってるんだっけ」
問いかければ、おねえちゃんがふところからスマホを取り出す。
どうやらふたりでひとつということらしい。
にこにこしてリルカを差し出せば、おねえちゃんのためらいをいもうとちゃんが後押しする形で小学生も買えた。
すりすりと私の手をさすってじぃと見上げてくるいもうとちゃんと、どっきんどっきんと心臓の音が聞こえてくるほど緊張するおねえちゃん。
さてどうしようか、っていうのは実はちょっと考えてた。
「おいで」
手を引いていもうとちゃんを私の上に座らせる。
ちょっとおまたが大変そうだけど、おねえちゃんと私の足をまたぐように向かい合って抱き合わせる。
このふたりが仲良くしているところを延々と見てみたいという邪な気持ちでまず抱き合わせてみたけど、なんかこれだけでも十分満たされつつある。
ほのぼのしていると、ぴとっとほっぺをひっつかせたいもうとちゃんが私を見つめる。
なにか意味ありげな視線だ。
ためしにこくりと頷いて見せれば、彼女はゆるりと笑みを浮かべておねえちゃんの耳元でこしょこしょと内緒話。
「はずかしがらないでもだいじょうぶよ、おねぇちゃん」
「で、でも」
「ゆみかちゃんにも、おねぇちゃんのかわいいとこみせてあげよう?」
いもうとちゃんはおねえちゃんと指を絡ませてむにむにと肌を触れあわせる。
わたし『にも』とか『かわいいとこ』とか、こう、そこはかとない背徳感。
まるでいつもおねえちゃんの『かわいいところ』を見てるみたいだ。
や、もちろん彼女らにそんな邪な感情はないと思うけど。
ない……よね……?
とろりととろけた表情でおねえちゃんを見つめるいもうとちゃんには、なんというか、小学一年生とは思えない妖艶さがあった。
いもうとちゃんのぷるぷるしたちいさな唇がおねえちゃんの耳元で震える。
「いつもみたいにして?おねぇちゃん。ねえ、ゆみかちゃんがみてるよ」
「ぅ、うん」
頷いたおねえちゃんは、おずおずといもうとちゃんのほっぺにちゅーした。
もちろんお返しにいもうとちゃんもちゅー。
両方のほっぺにちゅっちゅと触れて、ふたりは顔を合わせて笑う。
いもうとちゃんは三日月みたいな笑みで、おねえちゃんははにかむような笑み。
もしかしていもうとちゃん、これは
止めたほうがいいのかもしれない。
そう思うけど、幼気な少女が触れあう姿は愛らしいし、これくらいならまだ大丈夫な気がする。
と思ったらいもうとちゃんがおねえちゃんと唇を重ねた。
むちゅ、ってな感じで。
おねえちゃんもお返しに、目をキュッと閉じて、ちゅっ。
……なにかあっても小学一年生同士ならセーフだろう。うん。
私は背景です。
なるべく気配を消していると、ふたりはまたなんどかくちづけを交わす。
下唇をはみゅっと食んでみたり、ちろちろと舌先でつつき合ってみたり、口の端をちゅちゅっと吸ってみたり。
そうしながら、身体をすり合わせたり、その小さなおててでモモや脇腹をさすさすしてみたり。
かと思えばお互いに「かわいいよ」とか「すき、すき」とか「おせなか、さわって?」だとか囁きあったりおねだりしあってみたり。
ほんわかしたように見えるのは単にふたりが幼いからだろう。
これはほぼペッティングの域だと思う。うん。
え。
これが、『いつもみたい』……?
ちょ、っと見る目変わるよ?
あまりにも進んだ小学一年生に戦々恐々していると、ふいにおねえちゃんがいもうとちゃんの唇をふにっと指先で止めた。
桃色のほっぺとうるうるうるんだ瞳が私に向けられる。
へにょりと笑った彼女は身体をひねって私の肩に腕をかける。
きつそうな姿勢をものともせずに、彼女は私の胸骨の上のあたりにちゅっと唇を触れさせた。
そうしてまた顔を上げた彼女の瞳には、イタズラめいた色が乗っている。
こてん、と可愛らしく小首をかしげる動作に、前髪がさらりと落ちる。
「ゆみも、しよ?」
「うふふ。うん。ゆみかちゃんも、して?」
さすがにいまのに高校生が紛れるわけにはいかない。
それは分かるけど、おねえちゃんのようすは私を仲間外れにはしないように、くらいの無邪気な気持ちで言っているようにも思える。
もしかして、これを変に捉えるほうがむしろ邪なのでは。
……。
「は、恥ずかしいから、ちょっとだけね」
そう言って額にちゅっちゅとすれば、ぱぁ、と表情を華やがせるふたり。
いもうとちゃんの疑惑もすっかり忘れてしまうくらいには無邪気なそれを見ていると、やっぱり変に考えすぎだったような気がしてくる。
―――そう安心して身をゆだねた私が双子ロリっ子にいいようにされることになるのは、きっと必然だったんだろう。
幼いって怖い……。
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