第141話
はい皆様こんにちわ。 一応この話の主人公である丹羽圭介です。
今俺は病院の個室(かなり豪華)のベッドの上にいます。 絶対安静状態です。
俺的には全然動けるんですが、刹那が俺が動くのを許してくれません。 だから滅茶苦茶暇です。 テレビを観るかスマホを弄るかしか出来ません。 ……動けないって辛い。
少しだけ散歩に行こうかな? と思い、ベッドから起き上がろうとしたら
「あっ!圭介さん! 駄目ですよ! ちゃんと寝ていなくちゃ! お医者様からも言われたじゃないですか一週間は安静にしていて下さいって!」
ベッドの横に常時スタンバイしている刹那に止められ、強制的にベッドに寝かされる始末だ。
何故こうなったかと言うと、話は4日前に遡る。
俺は自分のデスクで書類作成をしていた。 書類作成は午前午後関係無く眠たくなるから嫌いなんだよなぁ。俺はどちらかと言うと外回りとかの身体を動かす仕事が向いているタイプの人間だ。
「ふぁぁぁぁぁっ。物凄く眠い。ヤバいな。このままだと折角作成した書類を俺の涎で汚してしまいそうだ。 そうだ。眠気覚ましに給湯室へ行ってコーヒーでも淹れよう」
そう考えた俺は、椅子から立ち上がろうとする。 その時
" ズッキ~~~~~ン!! "
急に俺の右下腹部から強烈な痛みが。
えっ!? な、何だこの痛みは!?
俺は思わず椅子から転げ落ち、その場に蹲ってしまう。
や、ヤバいヤバいヤバい!! 今まで経験した痛みの中でもワースト1位に入る位の強烈な痛みだぞ!?
俺が倒れた時にかなり大きな音がした為、周りで仕事をしていた社員達が俺の状態に気付き
「丹羽課長!? どうしたんですか!?」
「凄い脂汗だ!! それに顔色も真っ青だ! 誰か早く救急車を!!」
「課長!! しっかりして下さい!! 課長!!」
と滅茶苦茶騒ぎだした。 えっ、皆が俺を心配してくれている。 物凄く嬉しいじゃん。 ってそんな場合じゃない!! 痛い!!痛い!!痛い!! 死にそうだ!! 誰か助けてくれ!!
それから数分後
" ピーポーピーポーピーポー…… "
救急車が会社に到着。 担架に乗せられた俺は、救急車に乗せられ、救急車のサイレンの音と共に病院へ救急搬送された。
ここからの話は俺も後で聞いた話。
救急車で救急搬送された俺は、病院の救急室で医師の診察を受け " 虫垂炎 " と診断される。 そして直ぐに手術室へとGO。 手術が開始された。
その時会社から連絡があった刹那が直ぐに駆けつけ、手術室の前で真っ青な顔をして動物園の檻の中の熊みたいに世話しなくうろうろしていたらしい。
やがて手術も終わり、俺は病室へと運ばれた。
医師からの話では一週間の入院らしい。 入院中の食事だが、最初の2~3日は重湯だけど、おならが出たら腸が動き出したから普通にご飯が出るみたいだ。
ちなみにこの豪華な個室は刹那の強い希望らしい。まるで扱いがVIPだな。
で、今こんな感じ。
昨日おならが無事出たので、今日から念願の普通食だ。
「なぁ刹那」
「はい。何でしょうか圭介さん?」
「お前仕事は? ずっと俺の傍に居るけど」
刹那にそう聞くと、刹那は林檎の皮を剥く手を止めて(綺麗に兎さんの形に向いていた)キョトンとした顔で
「え? 当然お休みですけど?」
「いやいや、ちゃんと仕事はしようよ。刹那が仕事休んだら皆困るでしょうが」
「? ウチが休んでも皆困りませんよ。 皆優秀ですから。それに、圭介さんが入院しているのにウチがお仕事しているなんて考えられませんよ。だから圭介さんが退院するまでウチのお仕事はお休みです♡」
「……さいで」
「はい♡」
……雪菜さんご免なさい。俺が倒れたばっかりに苦労掛けてしまって。誠心誠意謝罪致します。 退院したら雪菜さんに菓子折りでも持って行こう。
で、いよいよ退院の日。
「お世話になりました」
俺は医師と看護師の皆様に御礼を述べた後、1階受付に寄って入院費用の支払いをする。 そして刹那と共に病院玄関を出た。
「やっと待望の退院だぁ。帰ったら明日からの仕事の準備をしないとな」
「えっ? 早速明日からお仕事行くんですか? もう1日位お休みしても良いんじゃないですか?」
俺がそう言うと、刹那は驚いた顔で俺にそう訊ねてきた。
「いやいや、皆に迷惑掛けてるのは明白だし、これ以上は休めないよ」
「……分かりました。 圭介さん、くれぐれも無理はしない様にして下さいね! 約束ですよ!」
「ああ。約束するよ」
俺と刹那はマンションに帰るまでにデパートに立ち寄り、会社の皆と雪菜さんに菓子折りを買って帰った。 刹那は " 何で雪菜さんに? " と不思議がっていた。 刹那、それ本気で言ってる?
マンションに着いて玄関のドアを開けて中に入る。 そして
「ん~っ! 1週間ぶりの我が家だぁ~♪ 明日から仕事頑張るぞ~っ!」
と言いながら背伸びをする。 すると
" グキッ!! "
音はしなかったが、腰からそんな音が聞こえた気がした。そして次の瞬間から俺の腰に強烈な痛みが走った。 そして俺はその場に蹲り動けなくなった。
「ど、どうしたんですか圭介さん!? ま、まさか!?」
「や、やっちまった……。こ、腰が痛くて動けない……」
どうやら背伸びした瞬間にぎっくり腰になってしまったみたいだ。 ……物凄く腰が痛くて動けない……。
当然だが、1人では動けない俺は、刹那にどうにかこうにか寝室へと運んで貰いまたしてもベッドの住人と化してしまった。
その日から1週間延長で会社を休んだのは言うまでもない。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら ♡ ☆評価 コメント レビュー等を頂けたら嬉しいです(* ̄∇ ̄*)
今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m
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