第139話
1ヶ月の北海道の出張もこれといったトラブルも無く無事終了。 明日俺と赤坂は東京本社に帰る事となった。 すすき野支部のスタッフは俺達が思っていたよりも優秀で、俺と赤坂が教えた事をみるみる内に吸収していき、出張が終了する前には営業の業績が1ヶ月前とは比べ物にならない程伸びていた。 これならもう問題は無いだろう。
俺と赤坂はすすき野支部のスタッフ達に挨拶を済ませてすすき野支部を後にした。 かなり引き止められてしまったが、流石に応じる事は出来なかった。
で、現在新千歳空港のロビーでお土産選びの真っ最中である。
「やっぱりお土産の定番は○い恋人だよな」
「いやいや丹羽、ここはやっぱり熊の木彫りだろ?」
……赤坂よ。お土産で熊の木彫りを貰って喜ぶ奴は居ないだろう。 お前のお土産のセンスってどうなってるんだ? 多分こいつは修学旅行とかでその土地の名前が入ったペナントとかをお土産に買って渡してドン引きされたタイプだろうな。
おっ、じゃがポックルと生キャラメルがあるじゃん。 これも買って帰ろう。 さっきスマホで検索したらお土産ベスト10の中に入っていたからな。 間違いなく喜んでくれるだろう。
俺は○い恋人と生キャラメルとじゃがポックルを購入。 赤坂はと言うと、案の定熊の木彫りとご当地キーホルダーを購入していた。 ……こいつ、本当に残念イケメンだよな。
そして飛行機の離陸時間になったので、俺達は飛行機の搭乗手続きを済ませて飛行機に搭乗し、北海道を後にした。
約2時間のフライトを経て、やっと羽田空港に到着。 やっと家に帰れるぞ。 刹那と子供達が待っている! 早く帰ろう!
俺と赤坂が羽田のロビーに到着すると
「圭介さ~ん♡」
と声が聞こえてきた。 声がした方に視線を向けると、そこには刹那が手が千切れるんじゃないかと思う位の勢いで手を振っていた。 しかもジャンプしながら。 こらこら、目立つから止めなさい。それと、スカート姿でジャンプをしない! スカートが捲れて魅惑ゾーンが見えそうになっているから! 只でさえ刹那は芸能人で注目されてるんだから。 ほら現にロビーに居る皆さんの視線は刹那に集中しているんだから。
「刹那、ただいま。それとジャンプは止めなさい」
俺は急いで刹那の元に駆け寄り刹那に注意を促す。
「? 分かりました」
刹那は 何で? みたいな顔をした後、素直に俺の言う事を聞いてジャンプするのを止めた。
「お帰りなさい圭介さん♡ ウチ、滅茶苦茶寂しかったです♡」
「俺もだよ。でも刹那、何故飛行機の到着時間が分かったんだ? 俺、飛行機の到着時間伝えてなかったよね?」
俺は刹那と子供達を驚かす為にわざと飛行機の到着時間を連絡しなかったのだが、何故刹那はこの時間に空港に居たのだろう?
「えっと、何となくこの時間に圭介さんが帰って来る予感がしたので。ウチの予感が当たりましたね♪」
「いやいや、もし俺がこの時間の飛行機に乗ってなかったらどうしたのさ!?」
「? 圭介さんが帰ってくる迄ずっと此処で待ってましたけど?」
……マジで? そんなずっと此処で待ってるなんて俺には出来ないかも知れないな。
「圭介さん、家で久遠と瞬が首を長くして待っていますよ♪ 早く帰りましょう♪」
刹那はニコニコしながら俺の背中を押して帰宅を急かしてきた。 久遠と瞬は俺を待っているんじゃ無くてお土産を待っているんだろうな(笑)
「えっと、赤坂も一緒なんだが。一緒に乗せて帰っても構わないか?」
俺は刹那にそうお伺いを立てる。
「勿論ですよ♪ 赤坂さんもご一緒に帰りましょう♪」
刹那が隣に居た赤坂に声を掛けたが、赤坂は
「いや、折角の申し出ですが遠慮しますよ。俺はゆっくり一人で帰ります。お先にどうぞ」
「遠慮するなよ。一緒に帰ろうぜ?」
俺は赤坂にそう声を掛けるが、赤坂は首を横に振って
「申し出ありがたいけど遠慮するよ。お前ら夫婦も積もる話があるだろうし、邪魔する気は無いよ。さぁ早く帰った帰った」
「……じゃお言葉に甘えるよ。じゃあな赤坂。また会社で会おうな」
「おう。また会社でな」
俺と刹那は赤坂とその場で別れて、刹那の運転で我が家に帰った。 車内では刹那のマシンガントークが止まらなかったとだけ言っておこう。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら♡ ☆評価 コメント レビュー等を頂けたら嬉しいです(* ̄∇ ̄*)
今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m
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