第137話

~刹那side~


はぁ~~~~~~~っ。


ウチは本日何回目になるであろうかの糞デカイ(糞デカイだなんて普段絶対に言わないよ? でも察して…お願い)溜め息を吐いています。


何でそんな糞デカイ溜め息を吐いているのかですか? それは……ウチの世界で一番大切で大好きで愛している素敵で超絶イケメンな旦那様である圭介さんが、1ヶ月も北海道に出張に行って居ないから。


そんな感じで今のウチは何をするにもやる気が超絶おきないんです。 仕事に行ってもミスを連発するし、歩いていても前を見てなくてスタジオの柱に身体ごとぶつかる事がしょっちゅう。 


だから楽屋に戻った時に雪菜さんに


「……刹那、どうしたのよ貴女。そんな感じじゃ貴女身体中痣だらけになっちゃうわよ?」


と言われてしまいました。 ウチは雪菜さんにどうしてこうなっているのかを説明しました。 すると雪菜さんに本っ当に大きな溜め息を吐かれてしまいました。 ちょっと失礼じゃありませんか?


「……貴女本っっっ当に重症ね。丹羽さんが出張に行ったからってそこまで調子が落ちちゃうだなんて。 しかも丹羽さんが出張に行ったのって今日の朝でしょ?……貴女馬鹿なの?」


酷い!? 雪菜さんに馬鹿扱いされた!? だって圭介さんがウチの傍に居ないんですよ!? しかも1ヶ月も!! そりゃ調子も悪くなりますよ!! 雪菜さんだって修治さんが雪菜さんの隣に居なかったらこうなりますよ!


「……刹那、貴女の今の状態は良く分かったわ。でも、貴女はプロなんだから仕事に支障を出しては駄目よ!」


と一喝されてしまいました。 ううっ……そんなの無理ぃ……。圭介さんに会えないと思うと……しんどい……死ぬぅ……。


ついウチは雪菜さんの前で大粒の涙を流して泣いてしまいました。


「……はぁ。刹那、貴女は大人気の女優でありトップアーティストなの。皆に夢と希望を与える存在なのよ。そんな貴女がそんな事でどうするの?もっとしっかりしなさい!」


「でも無理な物は無理ぃ! ウチは圭介さんが傍に居ないと生きていけないぃ! 1ヶ月だよ! 1ヶ月も圭介さんが傍に居ないんだよ!! その状態で他のどうでもいいモブ達に愛想振り撒くなんて出来る訳無いじゃん!」


「……どうでもいいモブ達って……刹那、貴女だって長期で地方ロケに出掛ける時があるでしょ? 今の状態はその状態と一緒だと私は思うのだけれど?」


「それはそれ!これはこれ! ウチが地方ロケに出掛けたとしても長くて一週間だったでしょ! 今の状況とは全然違うもん!!」


「……確かにどんなに遠い地方にロケに行った時でも貴女は一週間たったら無理言ってでも一回家に帰っていたものね……」


雪菜さんの言う通り、ウチはドラマのロケで地方に行くと、圭介さんに会えない反動で一週間でメンタルがボロボロになる為、監督さんに無理を言って一回家に帰らせて貰うのです。圭介さん成分を補給する為に。 その事はウチと仕事を一緒にするどのスタッフさん達も了承してくれているから、ウチの長期の地方ロケは問題無かったんです。


「ほ、ほら刹那。貴女も良い大人なんだから割り切ってお仕事しなくちゃ。ほらスタジオで皆が貴女を待っているわよ」


「い~や~だ~!! ウチ、今から北海道に行く~!! 圭介さんの傍に居る~!!」


「ハイハイ、子供みたいな事言わない。ほら行くよ!」


抵抗するウチの首根っこを雪菜さんに捕まれスタジオまで連行されました。





……はぁ。 何とか仕事も終わり、ウチは自宅で夕食を作っています。


「……お母さん、お魚真っ黒になってるけど……。クー達は今晩は漢方をおかずに御飯を食べないといけないのかな?」


「……姉ちゃん、それ以前に御飯も炊けてないんだが……」


久遠と瞬の呟いた言葉にハッとしたウチ。


手元を見ると、焼き魚は真っ黒になって墨状態。 炊飯器のスイッチは入れ忘れて、御飯が炊けていない。


「……ごめんなさい」


シュンとしながら久遠と瞬に頭を下げて謝りました。


「……○ber ○atsで何か頼みましょう。久遠、瞬。好きな物注文して」


「「……うん。分かった」」


久遠と瞬は○ber ○atsのメニュー表を見ながら自分の好きな物を注文しだしました。 ううっ。駄目駄目お母さんになっていますね今のウチは……。


「……ヤバいな今のお母さん」


「……クーもそう思うよ。お父さんが出張に出掛けてまだ一日も立ってないのにこの状態はちょっと……」


「何とかならない物かな?」


「難しいね。……クーは絶対にこんなにはならない様にしよう」


「多分俺、姉ちゃんも劉が1ヶ月居ないとお母さんと同じ状態になると思う……。姉ちゃんお母さんと思考全く同じだから……」



……圭介さん……ウチ寂しい……早く帰ってきて……。


久遠と瞬がそんな事を呟いていたのも気付かないウチなのでした。




ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


面白いと思われたら♡ ☆評価 コメント レビュー等を頂けたら嬉しいです(* ̄∇ ̄*)


今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m





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