第135話

コンコン


「失礼します」


俺は先程俺のデスクに備え付けてある電話の内線で社長室に来る様にと呼ばれた。 だから急いで社長室へ向かい社長室のドアをノックした。


……俺、何かしたのかな? 特に思い当たる節はないんだが。 決して会社の不利益になる様な事はしていない……筈。


「どうぞ」


社長室の中から社長の声がしたので、ドアを開けて社長室の中に入る。


「……丹羽、召集に応じ参りました。何か御用でしょうか社長」


俺は少々びくびくしながら社長へと問い掛けつつ社長室の中を見回した。 すると、社長室の中には見慣れた顔が1人緊張した赴きで立っていた。


「ん? 赤坂。何でお前が此処にいるんだ? もしかしてお前も」


「よっ丹羽。俺も内線で社長に呼ばれたんだよ」


社長室の中に居たのは赤坂だった。


「二人共呼び出して済まないね」


「「いえ。大丈夫です」」


「二人に来て貰ったのは他でも無い。二人共我社の支店が新しく出来たのは知っていると思う」


「はい。北海道のすすき野支部ですよね」


「去年から始動したんでしたよね」

 

赤坂と俺は自分の知っている情報を社長に告げる。


すると社長が


「実は、始動したばかりだからか営業の業績が芳しくないんだよ。 だからね、すすき野支部に君達二人に出張して貰って、スタッフの指導をして貰いたいんだよ」


と言ってきた。


「何故私と赤坂の二人なんでしょうか? 私達より優秀な社員は沢山在籍している筈ですが」


俺はそんな疑問を社長に聞いてみた。


「最近の君達の営業成績は素晴らしいと営業部長から報告を受けているんだよ。だから私としては、成績優秀な二人にスタッフの指導に行って貰いたいんだよ。 どうだろう? 引き受けて貰えるかね。 もしすすき野支部の指導が上手くいったら昇進も考えているから」


「「…………」」


俺と赤坂は顔を見合せ、少しの間無言になり、そして


「「分かりました。お引き受け致します」」


「そうか。君達なら引き受けてくれると信じていたよ」


俺達の返事を聞いて社長はニコニコ顔だ。


「社長、お聞きしたい事が1つあります」


「何だね丹羽君?」


俺は疑問に思った事を社長に聞く事にした。


「出張の期間はいつまででしょうか?」


「ああ。そうだね。とりあえず1ヶ月と考えている」


「……了解致しました。丹羽圭介、謹んでその役目お受け致します」


「赤坂晃、謹んでその役目お受け致します」


「頼んだよ。来週月曜日から北海道 すすき野支部に行ってくれ」


「「はい」」


俺と赤坂は社長に頭を下げた後、社長室を後にした。



「おい丹羽。この出張が上手くいけば、俺ももしかしたら丹羽と同じ課長になれるかも知れないな」


自分の部署に戻る途中で赤坂が嬉しそうに俺に話し掛けてきた。


「そうだな。そうなったら俺も凄く嬉しいよ」


「もし俺が営業二課の課長になったら、あの禿げはどうなるんだろうな?」


「あの禿げは周りからの評判最悪だからな。一般社員に降格になるんじゃないか?」


「そうなったらめっちゃ面白いな」


俺もそう思う。


「じゃあそれを実現させる為にも、二人で目一杯頑張ろうぜ!」


「おう!」


俺と赤坂はお互いの拳を合わせてニカッと笑いあった。


……あっ、そうだ。 刹那と子供達に出張の話をしないとな。


……1ヶ月……長いな。 1ヶ月も刹那と離れて過ごすなんて……。 俺のメンタル持つかな……。




ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m


面白いと思われたら、♡ ☆評価 コメント レビューを頂けたらとても嬉しいです。


これからも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m


今回話が短くてすみません( ノ;_ _)ノ












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