番外編(限定だった作品で御座います)

圭介さんと結婚してから早くも半年が経ちました。


超絶格好良くて、滅茶苦茶優しい圭介さんと結婚出来てウチはとても幸せです。


ある夜の話ですが、ウチと圭介さんがリビングで寛いでいると、圭介さんが


「刹那は俺に出会う前には好きな人とか居なかったのか?」


「好きな人ですか? 居ませんでしたね。 あっ、でも、1人だけいましたね。格好良くて、素敵だなと思った人が」


「へぇ。そうなんだ。 じゃあさ、その刹那が素敵で格好良いと思った人の事を教えてくれないか? 刹那にもっと好かれる為にも今後の参考にしたいからな」


「参考にならないと思いますよ? だって、ウチは圭介さんが世界一素敵で格好良いと思っていますから♥️」


「ありがとう。でも、刹那の初めての格好良くて素敵を貰った男性の事は知っておきたいかな」


「分かりました。ではお話しますね」




あれはウチが初めて東京に来た時の事でした。


ウチはオフの日に1人で新宿を歩いていたんです。 目的は別にありませんでしたが、何となくブラブラしてみたかったんです。


そんな時、運が悪かったのでしょう。でも、今思えば良い思い出が出来たから運は良かったのかな?


ウチは突然柄の悪い男達(滅茶苦茶不細工でしたね全員)数名に囲まれ


「君可愛いね。今から俺達と遊びに行こうぜ? 奢るからさ。 まっ、君に拒否権は無いけどね」


「「「「ぎゃはははは」」」」


所謂、質の悪いナンパです。


ウチは必死に抵抗しましたが、やはり男性の力には勝てませんでした。 ウチは腕を捕まれ、そのまま何処かに連れて行かれそうになりました。 道行く人達は、関わり合いたくない様な感じで誰も助けてくれませんでした。 ああ、もう駄目かなと思った時


「だせーなあんた達。女の子1人に寄ってたかって。ナンパ? 今頃流行らねーよ?」


ウチの腕を掴んだ男性の手を払いのけて助けてくれた男性がいました。


「なんだテメーは? 邪魔すんじゃねーよ!」


ナンパしてきた男性の1人が助けてくれた男性に凄みを効かせてそう言いましたが


「うるせーよ。人の嫌がる事はしちゃいけません。って小学校で教わらなかったか? ほら、見逃してやるからさっさと消えろ」


助けてくれた男性は男達に向かって鬱陶しそうに言い放ちました。


「ぶっ殺す💢」


ナンパ男達は男性に殴り掛かりました。しかし、その男性は男達の拳を上手にかわし、男達の顎にカウンターを入れて鎮圧してしまいました。


するとその直後


「お前ら何をやっている! 全員その場を動くな!」


誰かが通報したのでしょう。警察官が走ってやってきました。


「やべっ! 警察は勘弁な! 君、無事?」


男性がウチにそう聞いてきたので、ウチは頷きました。


「それなら良かった。じゃあ俺はこれで」


男性はそう言って何処かに走り去って行ってしまいました。


ウチはその男性の姿に見とれてしまいました。


格好良くて、素敵な人だったな。 あっ、名前聞くの忘れた! 


……人の出会いは一期一会。 また何処かで会えたなら、必ずお礼を言おう。 ウチはそう思いました。







……あれ? ウチが思い出を話し終えると、圭介さんは滅茶苦茶気まずそうな顔をしていました。 何で?


「どうしたんですか圭介さん? 凄く気まずそうな顔をしていますけど」


すると圭介さんが


「あ~。刹那、その」


「その? どうしました?」


「刹那を助けた男性って……スーツを着ていなかったか? そして髪型はボサボサで、何だか疲れた様な感じじゃ無かったか?」


ウチはその男性の事を思い出してみた。 確かにそんな風貌だった様な。


「はい。確かにそうでした」


「……やっぱり。 その刹那を助けた男性って俺だわ」



えっ? あの男性が圭介さん!?


「あの時、仕事でミスをして落ち込んでいたんだよ。何だかイライラしていてさ。 そんな時に女の子に絡んでいたアホどもがいたから、憂さ晴らしに〆たんだよ」


頭をポリポリ掻きながら話す圭介さん。


「まさかあの時に助けた女の子が刹那だったとはね」


ウチは圭介さんに飛び付いて


「やっぱり圭介さんはウチのヒーローです♥️ ウチの眼に間違いはありませんでした♥️ 愛しています圭介さん♥️」


圭介さんは苦笑いをしながら、ウチの頭を優しく撫でてくれました。


圭介さん、ウチと圭介さんは結ばれる運命だったんですね♥️








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