第111話

中学生になった久遠と瞬。 久遠は瞬く間に中学校のマドンナになり、瞬も予想通り女子にモテモテになったみたい。


久遠の下駄箱には連日と言って良い程ラブレターやメッセージ付きのプレゼントが入っているし、同級生・先輩問わず連日告白されるらしい。 


久遠本人は 


" クーは劉ちゃんだけしか興味無いの! 他の男子からの告白は鬱陶しいだけ! あ~あ。劉ちゃんがクーに告白してくれたら即OK出すのになぁ~ " 


らしい。


一方瞬はと言うと、瞬も久遠と同じ現象が連日起こっているみたいだ。 瞬も連日の告白と手紙に少し疲れている様子。


瞬曰く 


" 俺、女子から告白されるのは凄く嬉しいけど、困るんだよね。 何故って? そりゃ勿論、俺が好きになりそうな女子が居ないんだから仕方ないよ。 " 


との事だ。 くそっ羨ましい! 俺も学生時代にそんな事を宣ってみたかった! って刹那さん!? その握った拳を降ろして下さい! お願いします! もう言いませんから!


基本的に久遠と瞬は劉ちゃんといつも一緒に行動しているみたいだ。 やっぱり幼馴染みは仲が良いよね。


3人が仲良さそうに話をしていたり行動を共にしていると、必然的に嫉妬して劉ちゃんの事を悪く言ったりする輩が出てくる。


(例) 


" 丹羽さんに優しくしてもらってるからって調子にのるなよ陰キャ野郎が。 " 


" あいつムカつくわ。あの不細工野郎。丹羽さんの近くから消えろよ ぶち○すぞ! " 


" あんな冴えない野郎より絶対に俺の方が丹羽さんに相応しいぜ! "


" あの不細工が丹羽君と一緒にいると丹羽君の格好良さが台無しになるわ! 本当消えて欲しいわ! "


" いつも丹羽君の隣にいる冴えない男、本っ当邪魔よね? "


やっぱりいつの時代にもそんな奴は居るんだよ。


するとそれを知った久遠と瞬はこう対応するみたいだ。


" 男子version "


(久遠) 何を言っているんですか? 劉ちゃんが陰キャ? 不細工? 冴えない? 自分の顔を鏡で見て出直して来て下さいよ? 貴方より劉ちゃんの方が何無量大数倍も格好良いに決まっているじゃないですか。 変な事言ってると存在自体を潰しますよ?


(瞬) …………○す! (鉄拳制裁!)


" 女子version "


(瞬) 俺は親友(劉)の悪口や影口を叩く女の子は吐き気がする位嫌いなんだよね。 だからさ、もう一生俺に話し掛けて来ないで欲しいんだけど? 本当に吐きそうになるから(ニコリ)


(久遠) …………馬鹿じゃないの? 底辺女が。 そんなんだから瞬ちゃんに相手にされないの分かんないの? 無様な不細工ちゃん


と。


物凄く冷たく淡々と久遠と瞬に言われた男子・女子生徒はその場にフリーズ。(男子は瞬に殴られKO) そして女子は泣き崩れるらしい。


久遠と瞬がそんな事を繰り返していたら、いつの間にか劉ちゃんへの悪口や罵倒は無くなったみたいだ。


悪口や罵倒を言われていた劉ちゃんはと言うと、我関せずのスタンスだったらしい。 言いたい奴には言わせて置けば良いってね。



部活動だが、久遠は何故か帰宅部。色々な部活からアプローチがあったけど、頑なに部活には入ろうとしなかった。 何故か。それは、劉ちゃんが帰宅部だったから。


瞬も久遠と同じ理由で部活をしていなかったが、色々な部活動の助っ人として参加し、大活躍をしていたみたいだ。 お陰でいつも運動部に頼りになる助っ人として引っ張りだこ状態との事(久遠談)


劉ちゃんが帰宅部なのは、やりたい部活動が見つからなかったかららしい。


勉強面では、久遠と瞬は学年主席と次席。 我が子ながら何故そんなに頭が良いんだろ? 不思議だ。 刹那に似たのかしら? えっ? 圭介さんに似たんですだって? それは無い無い(笑)


ちなみに劉ちゃんは中の上ランクの常連。



そんなこんなで、久遠、瞬、劉ちゃんの3人は中学校に入って初めての夏休みに突入した。










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