第110話

久遠と瞬は無事に中学生になった。 2人が通う中学校の制服はブレザーとチェックのスカート。 結構可愛いデザインだ。 男子の服装はブレザーとグレーのスラックス。 


2人が入学式前に制服を着用した姿を見せてくれた。


「ど、どうかな? 似合ってる?」


「ああ。とても似合ってるよ久遠。めっちゃ可愛い」


「久遠はどんな服装をしても可愛いわね♪ 流石圭介さんとウチの子だわ♪」


「そ、そう? エヘヘ♪ 劉ちゃんも可愛いって言ってくれるかな?」


「間違いなく言ってくれるよ。お父さんの予想だと、劉ちゃんは久遠の制服姿にメロメロになると思う」


「えっ、そ、そうかなぁ♥️ そうだったらクーめっちゃ嬉しいんだけどなぁ♥️ 劉ちゃんがクーの制服姿にメロメロに……エヘヘ♥️ 劉ちゃんに制服姿見せるの楽しみだなぁ♥️」


劉ちゃんの反応を楽しみにするのは分かるけど、今の久遠の顔は劉ちゃんに見せない方が良いとお父さん思うぞ? 滅茶苦茶だらしない表情してるから。 劉ちゃんの事だから引かないとは思うけど……。


「ねぇお父さん、お母さん! 俺は? 俺は?」


瞬が俺と刹那の反応が気になったらしくそわそわしながら聞いてきた。


「瞬もめっちゃ似合ってるぞ。何時にも増して格好良いぞ♪」


「瞬も制服姿格好良いわよ♪ 瞬はイケメンさんだし、中学校が始まったら、女子にモテモテになるんじゃないかしら?」


「よっし! 褒めてくれてありがとうお父さん、お母さん♪ 俺めっちゃ嬉しいよ。 そっか~♪ 俺が女子にモテモテかぁ~♪ 聞いた姉ちゃん? 俺、女子にモテモテになるってさ♪」


確かに瞬はイケメンだし、中学一年生にしては背が高い(170cmにもうすぐ届く位の身長)から、絶対とは言えないけど女子生徒にモテるだろうな。 くそっ。我が子に対して思う事じゃ無いかもだけど凄く羨ましい! 俺も中学生の時に身長がもっと高ければ(圭介の中学入学時の身長は160cm)女子生徒にモテモテに…って痛い!! そんな事を考えているといきなり俺の右脇腹に痛みが走った。 何があったんだ!?


右脇腹を見ると、思いっきり頬を膨らませた刹那の指が俺の右脇腹を摘まんで捻っていた。 何故に俺の脇腹を捻っているんでしょうか刹那さん?


「何で俺の脇腹を捻っているんだい? 結構痛いんだが」


「……圭介さん、今さっき妙な事考えていませんでしたか? " 俺も瞬と同じ位背が高ければ女子にモテモテになってた筈 " みたいな事を」


……何故分かったし。刹那はエスパーか?


「もう!! 圭介さんにはウチが居るでしょ!! 自分で言うのも何ですが、こんなに綺麗で可愛くてスタイルの抜群な良妻賢母の妻が圭介さんには居るでしょ!! 他の女の事を考えちゃ駄目なんだからね!!」


そう言われても、中学生の時には刹那は俺の近くには居なかっただろ? 少し位モテモテになった俺を妄想しても……


「駄目ったら駄目なんだからね!! 分かった圭介さん!!」


「わ、分かったよ。もうそんな事は考えないから許して。 ねっ?」


俺は刹那に両手を合わせて謝った。


「……分かりました。反省しているみたいですので、今回の事は不問にします。 ……でも、次考えたりしたら、ウチ泣きますからね? 大の大人が大声で泣きますからね?」


「り、了解しました。俺も刹那に泣かれるのは嫌だからね」


「ん♪ 分かれば良し♪」


刹那は俺に抱き付いて甘えてきた。 その姿を見ていた久遠と瞬は " あ~あ、またやってるよ " みたいな顔をしていた。




そして中学校の入学式。 皆緊張からか若干表情が固い。 初々しくていいな。


やっぱりというか、案の定というか、久遠と瞬が新一年生の中でも一番良い意味で目立っていた。


" あの娘滅茶苦茶可愛いわね。何処の娘かしら? "


" あの男の子も凄くイケメンだ。背も高いし "


" この中学校は髪を染めるの禁止だけどあの2人は綺麗なブロンドヘアよね。 地毛なのねきっと "


" あの女の子と男の子将来モデルや俳優になりそうだ "



他の保護者さんからも絶賛されているみたいだ。


お父さんは滅茶苦茶鼻が高いです♪ もっとうちの子を褒めて褒めて♪


そう思いながら入学式を見ていた俺でした。


刹那も何だか嬉しそうだな。














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