第103話

久遠と瞬が産まれて早くも10カ月が経とうとした時、我が丹羽家に激震が走る。


「圭介さん、久遠と瞬のオムツを替えて貰えませんか? ウチ今ちょっと手が離せなくって」


刹那がキッチンの方から声を掛けてきた。 どうやら夕食の準備に忙しいみたいだ。


「了~解。 さぁ久遠、瞬。お父さんがお尻をキレイキレイしてあげるからね♪」


俺はオムツ2枚とお尻拭きとビニール袋を持って久遠と瞬が寝ているベビーベッドがある寝室へ向かう。


寝室に到着した所である違和感に気付いた。 ん? ベビーベッドの中で何か動いている?


その場に立ったままじっとベビーベッドを凝視。


「っ!? あ、あぁぁぁぁぁっ!?」


思わず普段あげない様な大きな声をあげてしまった。


「どうしたんですか圭介さん!?」


俺があげた奇声にビックリした刹那が夕食の準備を一時中断して慌てて駆け寄って来た。


「せ、刹那、あ、あれ」


俺は震える指でベビーベッドを指差した。


「ベビーベッドがどうした……っ!? あぁぁぁぁっ!!」


刹那もベビーベッドを見て絶叫。


俺達2人が大きな声をあげた理由。 それは


「「久遠と瞬が立ってる!!」」


そう。久遠と瞬がベビーベッドの柵を持ってヨロヨロしながら立ち上がっていたからだ。


俺と刹那は慌ててベビーベッドに駆け寄り


「久遠!! お前掴まり立ちが出来る様になったんだな!! 偉い!! 偉いぞ!!」


「瞬!! 貴方も掴まり立ちが出来る様になったのね!! お母さんとっても嬉しいわ♥️」


俺は久遠を、刹那は瞬を抱き上げて2人が苦しくない程度の力で抱き締めた。 久遠と瞬は嬉しかったのか " キャッキャッ♪ " と笑っている。


こ、これは皆に報告しないと!! 皆ビックリするぞ!!


俺と刹那は嬉しくなって暫くの間久遠と瞬を抱き締めていた。 そして何気なく久遠のお尻の部分に手を当てた時


" びちょ! "


と手が濡れた。 あっ、そうだった……久遠と瞬のオムツを替える事忘れてた。 オシッコが紙オムツを貫通してめちゃめちゃお尻が濡れている。


刹那も同じ事をしたらしく、微妙な表情で俺を見てきた。


俺と刹那は久遠と瞬を寝かせて急いで2人の紙オムツと衣類を交換した。


……しかし流石双子だな。掴まり立ちをする時が同時だなんて。


その後、俺は親父・お袋・栞に電話を掛けて、久遠と瞬が掴まり立ちをした事をドヤ声で報告した。 刹那もお義父さんとお義母さんに電話を掛けて久遠と瞬が掴まり立ちをした事を報告していた。


皆の反応


(親父) 「……そうか。良かったな」


(お袋) 「えっ!? 本当!? 早速明日にでもくーちゃんとしゅんちゃんの玩具をもって会いに行かなくちゃ!! お婆ちゃん楽しみだわぁ♪」


(栞&彼方) (栞)「マジで!? うわぁ、私も掴まり立ちをしたくーちゃんとしゅんちゃん見たい!!」


 (彼方)「マジですか!? これは叔父として2人を祝福しなくっちゃ!! 幾ら包めば良いですかね? 2万円? それとも3万円?」


(お義母さん) 「ホントに!? こうしちゃ居られないわ。ウチ今から愛媛出るから! 明日の昼位にはそっちに着くけん。 くーちゃんとしゅんちゃんへのお土産は何がいいかね? 楽しみやわぁ♪」


(お義父さん) 「残念だなぁ。私は明日外せない用事があるんだよ。 私もくーちゃんとしゅんちゃんに会いたいなぁ。 2人がたっちしてる所見たいなぁ。 本当に残念だよ」



久遠と瞬が掴まり立ちしだしてから、それはもう大変💦


2人から少し目を離した瞬間にヨロヨロと何かに掴まって歩きだすし、危ないからそれを制止したらギャン泣きするし。 正直休んでいる暇が無い!


だから、お袋とお義母さんがヘルプに来てくれている時は本当に助かる。 栞と彼方君は正直頼りない所である。 2人に久遠と瞬を見て貰った時があるけど、久遠と瞬がうろうろしだしたら、2人とも慌ててしまい逆に危ない事もあったのだ。


やっぱり経験の無さなのかなぁ。 お袋とお義母さんは余裕で久遠と瞬を見てくれている。


刹那は昼夜問わず2人に翻弄されてお疲れの様子。 俺も会社に申請して育休取ろうかしら? と今本気で考えている最中なのだ。













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