第86話

~刹那side~


「はぁ~♥️ やっぱりお風呂の後のアイスは最高ですね♥️ こればかりは辞められませんよ♥️」


ウチはお風呂上がりには必ずアイス(チョコレート味が好き♥️)を食べる様にしています。 今日も仕事が終わってマンションに帰り、仕事でかいた汗をお風呂に入って洗い流し、お風呂から出て身体にバスタオルを巻いただけの状態で冷蔵庫に向かい、冷凍庫からアイスを取り出して食べています。 ん~♥️ 幸せです♥️


アイスを食べ終わった後、ふと脱衣室に置いてある体重計に視線を向けました。


……そういえば最近体重計に乗ってないな。 久しぶりに乗ってみようかな?


ウチの身長は168cm この前測った体重が52.2kg(キャッ 恥ずかしい//////)でした。 ウチの身長から計算して平均的な体重と言えるのではないでしょうか? (天の声…ハッキリ言って痩せすぎですね(笑)) 


プロポーションも日々気を付けて管理出来ていると自分では思っています。現にバストサイズはEカップですし。ウエストも自分で言うのも何ですが括れています。ヒップも圭介さんが好きな安産型ですし。


ウチは鼻歌を歌いながら体重計に乗りました。


ピピピッ


…………。


ウチはそっと体重計から降ります。 え? 嘘? な、何かの間違いですよね?


もう1度体重計にそっと爪先から乗りました。


ピピピッ


……55.2kgの表示が……。


「い、嫌ぁぁぁぁぁっ!?」


さ、3kgも肥ってる!? こ、こんな事あり得ません!?


ウチは身体に巻いていたバスタオルを外して、身1つで再度体重計にそっと乗りました。


ピピピッ


55.2kgの数値が液晶画面に写し出されます。


「い、嫌ぁぁぁぁぁっ!?」


や、ヤバいです! 確実に3kg肥っています!! こ、このままじゃ……圭介さんに嫌われる!! 離婚されてしまう!! それだけは絶対に嫌だ!! 圭介さんに嫌われて離婚されてしまったらウチは死ぬしかない。生きている意味がない!!


この衝撃的な事実を圭介さんに決して知られる訳にはいきません! 何とかしてダイエットをしなくては!!


その為には、運動をしっかりとして、食事制限をしなくては!! よし! 思い立ったが吉日です!


ウチはスマホを操作し、○mazonでエアロバイクを即購入しました。 これでよし! ダイエット頑張るぞ~!! と2本目のアイス(今度はチョコミント♥️)を食べながら気合いを入れました。



次の日からウチの食事はサラダがメインになりました。それとヨーグルト(無糖)。


圭介さんから " ちゃんと食事は食べないと駄目! " と怒られてしまいましたが、こればかりは圭介さんの言う事を聞く訳にはいかないんです! ごめんなさい圭介さん!


注文していたエアロバイクがきました。ウチはエアロバイクに乗り、全力で漕ぎます。 汗が滝の様に流れています。 これだけ汗をかけば絶対に痩せるでしょう!


そして汗をかいてシャワーを浴びた後、アイス(今日はバニラ♥️)を運動のご褒美に食べました。



閑話休題そんな感じで


そんな生活を1週間続けました。 さぁ、あれから乗っていなかった体重計に乗りますよ!


ウチは衣類を全部キャストオフし、意を決して体重計に乗りました。


ピピピッ……さぁどうだ!


55.2kgの数値が液晶画面に写し出されます。


……全然減ってない。 ど、どうして? あれだけ運動もして食事制限もしたのに……。


ウチは全裸のままその場に崩れ落ちました。 その時


" ガタンッ!! "


と床に物を落としてしまい、大きな音を立ててしまいました。 その音にビックリしたのか圭介さんがやって来て


「大丈夫刹那!? 大きな物音がしたけど!? 怪我は無い!?」


「……圭介さぁん……ウチ、どうしたら良いんでしょうか? 圭介さん、どうかウチを捨てないで下さい……もっともっと努力しますからぁ」


ウチは圭介さんに泣きながらそう懇願しました。


圭介さんは


「俺が刹那を捨てる? そんな事しないよ。天地がひっくり返っても絶対にあり得ないから」


と優しい笑顔でウチを抱き締めてくれました。


「でもどうしてそんな事を言い出したんだ?」


と聞いてこられたので、ウチは正直に体重が増えた事を話しました。すると圭介さんが笑いながら


「心配する事無いよ刹那。その体重計は元々壊れてるんだよ」


「へっ? 壊れてる?」


「その体重計、何時からかは忘れたけど、表示が現体重より必ず3kg多く表示される様になったんだよ。だから体重計を買い換えようと思っていたんだよ」


圭介さん曰く、圭介さんの身長が175cm 会社の健康診断で体重を測ったら70kgだったそう。でもこの体重計で測定したら73kgだったそうです。


「だから心配は要らないよ刹那。刹那は肥ってはいないから。でももし刹那が肥っても俺は変わらず刹那を愛しているから。 ね?」


圭介さんが脱衣室から居なくなった後、ウチは衣類を着込み、体重計を袋に詰めてごみ捨て場に行き、体重計が入っている袋を思いっきりごみ捨て場の1番固い場所に叩き付けて捨てました。


でも、頑張ってエアロバイクを漕いだのに、痩せてないのはどうしてかしら? ……やっぱりアイスのせい? それとも小腹が空いた時に食べた低カロリーのポテチのせい?
















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