第99話
両家の顔合わせが終わった後、4月挙式予定の結婚式と披露宴に招待する為の人選を行った。
俺は両親と栞は勿論の事、会社の社長 総務部長 営業部長 そこそこ仲の良い同僚 赤坂兄弟 学生時代の友達 総勢50名程を人選した。
刹那はと言うと お義父さん お義母さん 彼方君 プロダクションの社長 篠宮さん 芸能界の友人達 学生時代の友達 総勢50名程を人選していた。
で、今招待状の作成をしている。と言っても、業者に発注するので、リストアップをするだけなのだが。
少し疲れてきたので休憩を入れる。
「ふふっ。色々忙しいけど、何だか楽しいですね♪」
「そうだな。俺達の結婚式と披露宴に参加してくれる人達の顔を想像しながら招待状を出す。本当に楽しい作業だよ。 まさか俺が結婚式と披露宴をするとは夢にも思っていなかったよ。俺、一生独身だと思っていたから」
「圭介さんが一生独身って事は絶対にありませんよ」
刹那が胸を張って言いきる。
「ほう。それじゃあ刹那さんや。その根拠は?」
「根拠ですか? それは」
「それは?」
「ウチが必ず圭介さんと出会って結婚するからです♥️ たとえ圭介さんが何処に居ようとも必ず見つけ出してプロポーズするから……ですね❤️」
「……刹那。ありがとう。こんな俺を好きになってくれて」
「ウチこそありがとうですよ。こんなウチを好きになって戴いて感謝しています❤️」
「俺達、必ず幸せになろうな」
「はい。必ず幸せになりましょうね❤️」
俺は刹那の頭を優しく撫でる。 刹那のブロンドの髪はとても綺麗で柔らかく、ずっと撫でていたい位だ。
刹那は気持ちいいのか目を細めて笑みを浮かべていた。
「さてと、招待状の作成の続きをやりますか」
「そうですね。さっさと終わらせてしまいましょう❤️」
俺達は残りの招待状作成に勤しんだ。
そして月日は流れ……
「うわぁ。滅茶苦茶緊張する。こんなんで大丈夫なのか俺は💦」
俺は今タキシードを着て控え室で手汗を大量にかきながら待機中だ。
そう。今日は待ちに待った結婚式と披露宴の日。
刹那は別室でウェディングドレスに着替えている最中だ。
妊娠8カ月でお腹が目立ってきていたのだが、ウェディングドレスはちゃんと着れたのだろうか? と要らない心配をする。
そんな事を考えていると
「新郎様、お待たせいたしました。新婦様の御準備が整いましたので、こちらに御越しくださいませ」
と式場のスタッフさんから声が掛かった。
「ひゃ、ひゃい!」
……何とも情けない声が出てしまった。
スタッフさんに少しだけ笑われてしまった。 ……仕方がないだろ? 滅茶苦茶緊張しているのだから。
俺はスタッフさんに案内されて刹那がいる部屋に向かった。
部屋の中に入ると、そこにはウェディングドレス姿の刹那が居た。
……言葉にならない。
刹那のウェディングドレス姿は物凄く綺麗で、まるで女神様の様だ。 神々しさすら感じてしまう。
俺が無言で立ち尽くしていると
「け、圭介さん? どうかしましたか? あ、あの? 何か言って下さいませんか?」
不安そうな表情を浮かべた刹那が俺に声を掛けてきた。
意識が飛んでいた俺は慌てて刹那に
「刹那……滅茶苦茶綺麗だ。まるで女神様の様だ。俺、今、物凄く幸せだよ。こんなにも美しくて綺麗な女性が俺のパートナーになってくれる事が未だに信じられないよ」
俺がそう言うと、刹那はほんのり顔を赤らめて
「ウチも今滅茶苦茶幸せです。こんなにも格好良くて素敵な男性がウチのパートナーになってくれる事が未だに信じられません。圭介さん、タキシード姿 凄く似合ってますよ♥️ 圭介さんが格好良すぎてウチ死にそうです♥️」
と滅茶苦茶素敵な笑顔を見せてくれた。
「じゃあ行こうか」
「はい❤️」
そして俺達はスタッフさんの誘導の元、大聖堂に移動した。
俺は先に神父様の前に立っていた。 俺の前には沢山の参列者の方々が座っている。 皆の視線を浴びて、俺はまた滅茶苦茶緊張してきた。
そんな中、大聖堂の入り口の扉が開かれ、お義父さんにエスコートされながら刹那がバージンロードを歩いてきた。
その姿にまたもや俺は意識を奪われた。
滅茶苦茶綺麗だ……。
そして俺の前にやってきた刹那の笑顔で俺の意識は現実に帰ってくる。
それから結婚式が始まる。 式は厳かに行われていく。 そして誓いの言葉を神父様が俺達に述べる。
新郎圭介、あなたはここにいる刹那を、
病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
妻として愛し、敬い、
慈しむ事を誓いますか?
誓います。
新婦刹那、あなたはここにいる圭介を
病める時も、健やかなる時も、
富める時も、貧しき時も、
夫として愛し、敬い、
慈しむ事を誓いますか?
誓います。
それでは誓いの口づけを。
俺と刹那は向かい合い、顔を近付けて誓いのキスをした。
そうして結婚式は無事に終了する。 大聖堂の入り口でブーケトスを行った。 ブーケはなんと栞がGETした。次は栞達が結婚するのかな? 俺は彼方君の顔を見ながらそんな事を考えていた。
そして披露宴が始まった。
披露宴は物凄く盛り上がった。 ケーキ入刀や参列者からのスピーチ。そして余興。
余興は物凄く豪華だった。何故なら、毎日TVで見るアーティストによる歌が披露されたり、何故かプロのマジシャンによるマジックショーが開催されたりしたからだ。 皆滅茶苦茶興奮していた。 そんな中で余興をしないといけなかった俺の同僚達がとても可哀想に思えて仕方なかった。
そして披露宴の最後に、刹那からお義父さん お義母さんへの御礼の言葉が。
俺は不覚にも刹那の言葉を聞いて泣いてしまった。当然、お義父さん お義母さんも涙ぐんでいた。
そして参列者皆から盛大な祝福を受けて披露宴は終了した。
俺は一生今日の事を忘れない。
これからも全力で刹那とお腹の中に居る子供達を守り抜いていく事を改めて誓った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます