第76話
ドームツアーも無事終了。刹那お疲れ様でした。
さて、と言う訳じゃないとは思うけど最近刹那の機嫌が滅茶苦茶良い。
自分のスマホを使って何やら検索しながらニヤニヤしたり、テレビの旅番組(海外)を眼を輝かせて食い入るように観ていたり。
多分俺の予想が当たっているのならば刹那は今、俺達の結婚式のプランを練っているのだろう。 スマホを見てニヤニヤしているのは、式場を何処にするのかを選んでいて、その中に自分達の姿を照らし合わせてニヤニヤしているのだろう。
そして旅番組を食い入る様に観ているのは新婚旅行の候補選びだと思う。 以前から刹那は " 新婚旅行に行くなら海外が良いです! " と豪語していたからな。
俺は何気なく刹那に
「気に入った式場は見つかったか? それと旅行先」
と聞いてみた。すると刹那は驚いた顔で
「何でウチが式場と旅行先を探しているのを知っているんですか!? もしかして圭介さんはエスパー!?」
いやいや、そんな訳ないだろ? 誰でも分かるって。刹那の行動を見ていたら。どんな鈍感な奴でも察しがつくと思うぞ。
「で、どうなの? 刹那の御目に止まった場所はあったのか?」
そう聞くと、刹那は満面の笑みで
「ウチ、此処が今の所イチオシなんです! 圭介さん見て下さい!」
刹那はスマホを操作し、画面を俺に見せてきた。
どれどれ……
セン○グレー○大聖堂か。凄く良い場所じゃないか。
「どうですか圭介さん? ウチ、こんな式場に憧れていたんです。 愛する圭介さんと一緒に大聖堂のチャペルで結婚式……ふぁぁ。夢みたいな光景です♥️」
「そうだね。俺も凄く素敵だと思うぞ。隣に居る最愛の人が刹那なんだ。俺の方が夢を見てる気分だよ」
俺は一生独身だと思っていた。だって今まで1度もモテた事が無かったからなぁ。それがあの日の出来事がきっかけで刹那と出会い、恋をして、お互いを愛し、結婚って話までになっている。 時々思う。夜寝て次の日目が覚めたら今までの事が全部夢だった……なんて事を。そんなの嫌すぎる。 もしそれが現実に起こったとしたら俺は死ぬ自信がある。 それだけ今幸せなんだ。 刹那も同じ気持ちであって欲しいと切に願う。
「ウチも圭介さんと同じ気持ちです。圭介さんの居ない日々なんて考えられない。圭介さんが居ないならウチも死ぬ自信があります」
刹那が笑顔でそう答えてきた。
あれ? もしかして言葉に出てた?
「もうバッチリと。圭介さんがウチをそれだけ思ってくれていた事がウチは凄く凄く嬉しいです♥️ 圭介さん、ウチは圭介さんを愛しています。圭介さんだけを愛し続ける事を誓います♥️ これまでも。そしてこれからも♥️」
「刹那……俺も刹那を一生愛していく。必ず幸せにする。約束するよ」
俺達は見つめ合い笑みを浮かべ、口づけを交わした。
それから一時刹那と2人でスマホで色々検索して、あ~でもない こ~でもないと楽しく俺達の結婚式のプランを立てていた。
「圭介さん、色々と結婚式場のパンフレットやWebを見ていましたが、やっぱりウチはセン○グレー○大聖堂が良いです♥️ 此処に決めましょうよ♥️」
「ああ。刹那がそう言うなら俺はそこで構わない。確かにぶっちゃけセン○グレー○大聖堂は俺の中でもイチオシだったからな」
「ウチと圭介さんは感性が似ていますね。 相性バッチリです♥️ やっぱりウチの旦那様は圭介さん以外有り得ません♥️」
「じゃあ早速セン○グレー○大聖堂に電話して結婚式の予約入れようか。 ああ、刹那のとても綺麗なウェディングドレス姿が目に浮かぶよ。 楽しみだなぁ。 まぁ隣に立つのが冴えない俺だから締まらないけどな」
「そんな事は絶対に有り得ませんよ! 圭介さんは世界一、いえ宇宙一素敵で格好良い男性です! 逆にウチが釣り合い取れないんじゃないかと心配な位ですよ! 自信を持って下さい圭介さん♥️」
真面目な顔の刹那からそう言われた俺は顔を赤くしてつい刹那から顔を背けてしまった。
「ウチのとても素敵な旦那様♥️ こっち向いて♥️」
刹那に顔を両手で挟まれ、無理矢理だが優しく刹那の方に顔を戻されてしまった。
俺達は見つめ合い、どちらともなく笑った後、俺は優しく刹那の口に口づけをした。
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