第10話リム村と新たな秘境

ああ、今日はとにかく疲れた。

その日を俺は、皆んなに明日の集合の時刻、場所を伝え、解散した。

翌日...

俺が集合場所へ着くと、いつものようにワズとファイスが先に待っていた。


「カエラ、ガーズさんは?隣の部屋だし一緒に来てるのかと思ったけど...」


たしかにそうだ。俺が集合場所へ行こうとしていた時も、まだ部屋に居た。

そう思い、俺が代表して、ガーズの元へ向かった。

ガーズの部屋をノックして、開けてもいいかというと、


「あぁ.....いいですよぉ」


とても、疲れ果てている声が返ってきた。

まさか...と思ったが、ガーズを信じ、扉を開けた。

すると...案の定、目の下に隈ができているにも関わらず、必死に盾の手入れをしているガーズがいた。


「カエラさん、おはようございます。」


「おはようございますじゃねえよ!まさかお前、あれか、寝る間も惜しんで、手入れしてたのか?お前、今日に秘境へ行こうっつーのになんで寝ない!?」


俺は、ガーズに怒鳴った。


「すいません、見捨てないでくださいぃぃぃ」


俺は定番のような言葉を言われ、必死に否定した。

ガーズがこんな調子なので今日は、秘境へ行かず、その道中にある村で一休みすることになった。

多分その方が、みんなも気合を入れ直せると思ったからだ。


俺と寝不足のガーズを連れて集合場所へ着くと、ワズとファイスは、なんとも言えない表情でいた。

そりゃ、そうなるのも無理はない。


「次に近い秘境は、「ドルディア」ってところだな。んで、その道中に、「リム」っていう村があるけど、なんか知ってる奴いるか?」


「そこは、僕の故郷です。少し小さいですが、とてもいいところですよ。」


どうやら、リムはファイスが故郷らしい。まあ、これも偶然というところか。


俺らは、次の秘境「ドルディア」へ行くべく、道中にあるリムという小さな村へと、足を進めた。


リムへ行く途中、ファイスはさらに話し始めた。


「リムは、僕の友達のゴルドって言う、リムで1番強い剣士がいるんですよ。子供の頃はよく修行に付き合ってもらってました。」


ゴルド?何か知っているような、しかし、名前だけ知っていて、顔が出てこない。

まあ、いいかと思い、軽く相槌を打ち、この話は終わった。


約1時間ほど歩き、ようやくリムへ着いた。みんなはもうクタクタのようだ。ファイスが言っていた通り、小さいがとても安心できる雰囲気がある。リムへ入り、広場のようなところへ着くと、


「お!ファイスじゃん。横にいるのは仲間の人?」


金髪のとてもチャラそうな男が、ファイスに話しかけた。コイツが多分、ゴルドだ。


「ゴルド!久しぶり。やっぱ3年ぶりだけど、変わってないや!」


ファイス以外の3人は大きくお辞儀した。

ファイスは今日、家で家族と過ごすらしく、俺らは宿屋で泊まった。この村は宿屋が一つしかなく、その宿屋を経営しているのがゴルドだった。今日は特別に、無料で止まっていいとのことなので、ありがたく泊まらせてもらった。


「なぁ、ガーズ。絶対にちゃんと寝ろよ。たしかに手入れも重要だが、お前のコンディションの方が大事なんだからな!」


俺はガーズにキツく注意喚起した。


「わかった。それでは、拙者はあまりにも睡魔がやばいので寝させていただく!」


と、ガーズは1人部屋へ行ってしまった。

俺とワズも解散し、部屋へ行った。


明日は二つ目の秘境へ行くと言うことで緊張している。しかし、最初の時よりは、無くなった。

俺は、緊張感と、少しのワクワクを明日へと持っていった。

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