第6話初の戦闘

俺たちは、火魔法しか使えないファイスという、魔法使いをパーティに迎え入れ、とてもめでたい雰囲気となっていた。

しかし、俺らはもう1つ言わなければならないことが残っていた。それは、俺たちが目指している終着点のことだ。


「なぁ、ファイス、今から言うことでこのパーティから抜けたいと思っても構わない。

今から言うことは、俺らの最終的な目標だ。」


雰囲気を察したのか、ファイスとワズは真剣な表情で俺の話を聞いてくれた。


「俺ら2人は、秘境のオーブを全て集め、このルーズ大陸を支配しようとしている。」


すると、ファイスは一切笑顔を見せず


「そんなことを聞いて、引き下がれる訳ないじゃないですか!むしろ貴方達の考えを僕は尊重します。なので、一生懸命、目標を目指してサポートしでいきます。」


それ聞いた、俺らは安心していた。


「ファイス、ありがとう。私、反対されると思っていたけれど、受け入れてくれて、とても嬉しいわ。私は、主に回復役だから、全力でサポートするわ。」


「はい、よろしくお願いします!」


とりあえず、ファイスが聞き分けのいいやつでよかった。


「あ、そういえば名前言ってなかったな。俺はカエラ。この子はワズだ。よろしくな。」


俺は改めて挨拶した。


「まず、秘境に行くのは早すぎると思います。なので、まずは、パーティの連携確認などを含めてゴブリン狩りにでも行きませんか?」


たしかに秘境へ行くのは早すぎる。その手段の方がいいかもしれない。


「わかった。ワズもいいよな?」


「はい、オッケーです。3人の相性を知る良い機会になりますね。」


ということで、俺らはこの街で一泊し、南にある、ゴブリンがいる森へと足を運んだ。

とても薄気味悪く、いかにもモンスターがいそうな場所だ。

すると...

草むらの方からガサガサと音がする。


「俺が〈宝探し〉で何がいるか見るから、2人は戦闘態勢に入れ。」


その瞬間、ファイスは驚いた表情をしたが、すぐに立て直した。多分、このスキルのことだろう。俺はそのことは後で話そうと思い、〈宝探し〉を発動した。

すると、草むら側だけではなく俺らを囲むようにゴブリンがいた。


「やばい、ゴブリンがうじゃうじゃいる。」


その瞬間、大きな叫び声を上げながら、俺の方へとゴブリンがやってきた。

俺は咄嗟に反応し、剣をぬき、勢いよく振り回した。すると、ゴブリンの腕を切り落とした。


「よし!」


ここで俺の剣術が少し光った。

すると、ファイスが


「このゴブリンの群れを一箇所に集めてください!そうすれば、魔法で、焼き尽くせるので。」


と、合図した。


「じゃあ、俺が引きつけるから、ワズは、ファイスを守ってくれ。」


そう言うと、俺は勢いよく口笛を鳴らし、ゴブリンを俺に集中させた。しばらくして、ゴブリンを一点に集中させることができた。すると、ファイスが


「ファイアロール!」


叫んだ瞬間、ゴブリン達が炎の渦に包まれ、跡形もなく消え去った。

ファイスの魔法は、只者ではない。

そして、3人は集まって、ハイタッチした。初めてのパーティでの戦闘だったので、とてもテンションが上がった。


すると、ファイスが、あのことを聞いてきた。


「あの、カエラさんのスキルって、幻の...」


俺は元気よく返事した。


「ああ、そうだよ。幻の〈宝探し〉スキルだ。でも、他のスキルはなにも使えないから、攻撃力にはあまり期待しない方がいい。」


「やっぱりそうだ。ほんとにあったんですね。」


そうこうしているうちに夕方になってしまった。なので、もう一泊することにした。いよいよ明日は、秘境へ行くつもりだ。

もちろん、皆生半可な気持ちで挑んでいるわけではない。皆、本気なのだ。

宿屋に着き、ベットへ入って明日を迎えのとしたが、どうしても寝付けなかった。なので、外の空気を吸いに行こうと、出かけると、


「カエラさん、やはり寝付けなかったんですね。私も全然寝つけませんでした。」


と、ワズも外の空気を吸いにきたらしい。俺は、ワズと散歩しながら、


「なぁ、明日が怖いか?」


と質問した。


すると、ワズは悲しげな表情で


「はい、怖いです。でも、カエラさんやファイスがいるので少し和らいでますけどね。」


やはり怖いだろう。逃げたい気持ちも心のどこかにあるだろう。


「俺も、1人じゃ当然いけなかった。ワズとファイスがいてくるから、大丈夫なんだ。頼りにしてるぞ、ワズ。」


俺は、ワズに向けて、笑顔を見せると、ワズも、満面の笑みで返してきた。

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