第四十三の論争 アオハル杯

「はーい!クッキーができたよ!!」

「…バリバリ歩けるじゃねえか!」

「キミがかわいい女の子とくっつきたそうにしてたからおそらくこの先恋人ができないであろう君を気遣って仕方なくおんぶさせてあげたんだよー?」

「ひと時の夢が見れて幸せだったでしょー?」

「あれ…おかしいな…このクッキーは塩が入ってたのか?なんだかしょっぱいや…」

「まあまあまあなかないでー、そんなことわかり切ったことでしょー?」

「クソッ…もう嫌いだ…オメーも現実も…」

「でも一瞬本当にびっくりしたよー…クッキーにい入れたものがばれたのかと思ったじゃーん」

「ぐぅ…」

「うふふふふ…」

「うふふふふふふふふふふふふ!!!!!!」


彼のズボンを脱がそうとしたときに手が止まる

「なんだか…悪い気がする…」

「こんなことダメだよね…」

「まだ…私たちにははやい…よね…?」



「ん?なんで俺は上裸で寝ててこいつは俺を枕に寝てるんだ?」

夜明けの太陽が彼を呼び、目を開けてみると幸せそうな顔で寝入っている彼女が嫌でも目に入った。

彼は軽く彼女を揺さぶって起こす。

「これは…どういう状況だ?」

「…」


まずいよー!途中で満足して寝ちゃってた…どうしようー

「き、昨日はあんなに飲んでたんだからお、覚えてなくても仕方ないよー…」

「…ん?それにしては頭もいたくないし目覚めもいいな…」

「う…それは…」

「…き、昨日は吐いて大変だったんだからね!!」

「…マジ?」

「そ、そうだよ!キミの後始末して服とかも洗濯してたら途中で眠っちゃったの!」

「…嘘だろ…そんなに飲んでたのか…?」

「俺は昨日は…クッキーを食べてた時から何も思い出せねえ…」

「ギグッ…」

「それに…寝るにしてもどうしてこんなに近くで寝てるんだ…?それに…」

「えい!!」

ゴンッと鈍い音とともに彼の意識は深く深く沈んでいった。

「ふう…手元に縄文土器があってよかったよー…。乙女の純情は歴史的遺産にも勝るからねー」

「こんどはヘマしないように…まずは彼を布団に寝かせよーっと」



よし…!服も着せたし証拠も何も残ってない!!(はず)よし!!あとは彼の目が覚めるのを待つだけだねー!

「すぅすぅ…」

「ゴクリッ…」

ちょ、ちょっとだけなら…だいじょうぶ…だよね…今度は途中で寝ちゃったりしないから!

ちょっと…ほんのちょっとだけ…


「ずちゅ…ずちゅ…ねちゃ…」




「ん?なんで俺は上裸で寝ててこいつは俺を枕に寝てるんだ?」

「わわわ…!ガシャーン!!」

「ん?なんで俺は上裸で寝ててこいつは俺を枕に寝てるんだ?」

「ガシャーン!!」

「ん?なんで俺は上裸で寝ててこいつは俺を枕に寝てるんだ?」

「ガシャーン!!」


「あれ…?今日土曜日じゃなかったか?」

「う、うんん?日曜日だよー…?」

「????なんだか一日早く感じるな…」

「き、気のせいだよー…」

「なんだか頭もへこんだ気がするし…」

「何言ってるのーそんなことあるわけないじゃーん(棒)」

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