第四十三の論争 わからせjc
彼女は気まぐれを起こしたのか彼が家にいなくて寂しくて暇だったのか彼の部屋をくまなく掃除していた(無断で)。
う~ん…この引き出し鍵がかかっててあかないなー…
何か見られたくないものでもあるのかなー?
見られたくないもの…
私に隠しごと…ねー?
彼女は根性でどうにか解錠する。
そっかー…エッチな本かー…
それに小悪魔系の妹属性ねー…
やっぱりそういうのが好みなのかなー…
ちょっと心配になるよー…ロリコンをこじらせないといいけど…
彼女は彼の机の上にその本を綺麗に並べ、先ほどまでその本があった場所に幼馴染系のゆるふわエロ本を置く。
よーし…これで幼馴染の私の尊さがわかるでしょー!
彼女はエロ本を読まれる…自分以外の女で欲情するという構図はいいのだろうか…天然たる所以だ。
掃除という名の彼の私物あさりに一通り満足して先ほど掘り出した彼がいつも来ている上着を鼻にあてがい荒い呼吸をしながら机を後にし他を掃除(漁る)ことにした。
わー…懐かしいなー…
やっぱり何でもかんでも物を大事にとっておいて思い出の品にするっていうのはキミがよくやることだねー…
キミらしいよー…
彼女が彼の押入れを探るとそこには彼女が中学生の頃に彼にあげた『安産祈願』のお守りが出てきた。
そっか…キミにとってはこれは思い出なんだねー…
懐かしいなー…
「うわぁぁん!!」
「…転んだくらいで泣くな…中2だろ」
「歩けないからおぶってよぉぉぉ!!!!」
「…(コイツおぶっても胸ないし当たらないからつまんねえな…)」
「何?今なんて思った?言ってみて?」
「…けががないかなって思ったんだよ」
「けがはないけど歩けないよー!早くー!」
今の彼ほど広くなくしっかりしてないが彼女にとってはたくましく地上で最も好きな背中に彼女は包まれる。
「…ったくこんくらい歩けっての…」
「えへへ…悪いねー、ほら!お礼にお菓子でもつくるよー」
(そうやって…俺をいたわってくれるのなら…踏んで…いや、流石に引かれるな…親しき中にも礼儀ありだ)
「うふふ…」
「やっぱりキミは優しいねー!」
「そうか?言われたことなんてないぞ?」
「わたしはそれなりに言ってるよー」
「周りからだよ」
「みんな気付かないだけだよー」
「こうやって担いでもらえるからか?都合のいいやろーだな」
うふふー…キミはそうやって強がるけど私のほうに顔を向けないねー…よく見たら耳も赤いよー?
私をおぶって少しは恥ずかしがってくれてるのか照れてるのか…どっちなんだろうねー…?
ああ…やっぱりかっこよくてかわいいねー…強がってるけどその実誰よりも繊細で感受性が高い…
キミのことは誰よりもわかってるはずだよー?
うふふ…我慢できそうにないよー…
でも堪えるんだよー私、これから前に入手した睡眠薬をお菓子に入れて…眠った後に何をしようかなー♪
…ああ考えただけでよだれが出そうだよー。
ひとまず脱がせて…その仕上がった腹筋を抱き枕にするんだー♪それで…それより下の…
キミの…オフフ…
ああみんなの手を焼かせる自由で魅力的なキミも…もうしばらくで私の掌の上で好きにできるんだからねー。
いつも学校で楽しそうに話してるクラスの女の子じゃあ絶対に見れないしできないことだよー
私だけが許された…景色を…
キミの彼女になったら…こんなことを当たり前にできるのかな…
彼女は彼のうなじをバレないように深く吸い込む
…私は…キミには釣り合わないよね…でもキミが…ほかの人と…付き合うなんて…
心臓のあたりがキリキリと締め付けられる
チャンスは…そんなにないんだよね…
そうだ…!来週の修学旅行で…
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