日常系
第三十四の論争 滅すべきリア充
「なんだか…近頃何か悩んでるように見えるよー?」
「昨日から…駅で人を探してるのと関係があるの?」
「…少し気になることがあってな…」
「母方の祖父の家からしばらく電車で通学してただろ?」
「うん、おかげで君と一緒にいられなくて寂しかったんだからねー!」
「その時に…仲が良くなった奴がいたんだが…どうも何か言いたそうにしてたのに…結局言わずにそれから見かけなくなってな…」
「こうやって帰ってきた今でも…電車で少し探してるんだが…」
「やっぱり…君は優しいね…」
「そうか?」
「うん♪だってあんまり知らないその人が悩んだままで会えなくなったら心配はするだろうけど…普通の人はそこまで真剣になれないよー」
「面倒見がいいんだね♪」
「そんなんじゃないっての…」
「ただ…俺と会った時も…ずいぶんと生きずらそうな奴だったんでな…」
「それで…気になって…助けようと声をかけたんだねー?」
「まあ…そうだな…」
「やっぱり…君は優しいよー」
「本当にそう思ってるのならずいぶんと世間とずれてるな」
「君のことをちゃんと評価しない世間のほうがおかしいんだよー」
「・・・さすがに…そうやって全肯定されると…むず痒いな…」
「○○校の生真面目な奴でな…なかなか人に相談というものができなさそうで…抱えて落ち込むタイプだな…」
「君と…生真面目ではないけど…似てるね…」
「まあシンパシーかもな」
彼女は平和なことに彼の話しぶりからか女ではなく男とばかりに平和な思い込みをしていてくれていた。
「まあ…ともかく…今日はなかなか会えなかった分の埋め合わせとしていーーーーっぱい!!イチャイチャしようね♪」
「まったく…悩み事のありそうだと思う人に言うようなことじゃないだろ…」
「だからこそだよー」
「君がそんなに悩むなんて…らしくないよ?」
「それもこれも…なかなかイチャイチャできなかったからだよー!」
「へいへい…そーですね」
「だからー今日はこれからずーっとお話したりすりすりしたりぎゅーっとしたり…」
「寝るときには君の腕枕で寝るんだー!あっ、別に…今夜…寝なくても…いいよ…?」
「桃鉄でもするか?」
「私の桃よりも大事なのー?」
「まあまあ・・・そうやってずっと話してるだけは飽きるだろう?」
軽く彼女を押して圧迫感と束縛感をあたえる程度の程よい力をいれ彼女を転がす。
「俺としても…珍しくオメーと同意見だからよ…」
「は、ふぁい…///!」
「こうやって押されるのは慣れてないか?」
「うぅ、…いぢわる…///」
「まったく…自分は耐性がないくせに人にやりやがって…」
「…して…」
「ああ?」
「つづき…して…?」
「ッッ…」
しばらく二人が見つめ合ったまま動けずにお互いに目を合わせた。
電車の外の景色は目を合わせてくれないのにも関わらず。
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