患部以外を蝕む流体
結局…補習か…
今回のテストで…初めて赤点取ったなぁ…
これの原因は明らか…だけど
本当に…悪い影響なのかな…
「顔が…暗いようだが?」
「実は…初めて補習になってしまって…」
「それは良くない傾向だな」
「…え?」
てっきり彼のことだから…気にしないと思ったけど…
「適度に休んでもいいのはすべからくことをできている時だけだ」
「俺に…託けてさぼってるんじゃないのか?」
「そうかもしれません…」
「まあ…なんだ…最初にも言ったが…俺のほうが圧倒的に偏差値は下だ…こんなことに口出しはしずらいな」
「いえいえ…私としても同じようなことを思っていたので…」
「まあ…なんだ…ともかく俺はそうやって悩んでることを相談するってのができるようになったのは良かったと思うぜ?」
「俺は…人に弱いところを見せられずに相談できないってことが多々あるからな…」
「そうなんですね…私にはどうにも…あなたのような方が悩みこむというのは想像がつきませんが…」
「俺を何だと思ってんだ…ったく…」
「まあ…それだけ俺を信じるようになったってか?」
「うふふ…こうやって話していると…まるで・・・」
「まるで?」
「・・・なんでもありません」
今日も…言えなかったな…
いつも通りに机に教科書類を広げテストが終わったばかりというのにも関わらず勉強を始めた。
彼からしたら考えられないほどの苦痛だが彼女はいつも通りとしか思わない。
いつもと違うのは…集中があまり続かないことだ。
最近は…本当にあの人のことばかり…考えて…
あの人の言葉は…私の心を軽くしてくれた、それは…今まで誰にもできなかったこと…
あの人は…こんな誰にも見向きもされない地味な勉強しかできない私を…気にかけてくれて…
明日…言おう…
この…思いの丈を…
その夜はやたらと夜空が明るく雲まで見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます