第二十五の論争 彼の本気
彼はそんな電話のことなどすっかり忘れ夕飯を食べていると彼女の携帯が鳴った
「俺が出る…渡せ…」
「うん…」
いい加減…鬱陶しい…俺の本気を見せてやる。
「もしもし」
「その声は…キミかな?」
「然り、ずいぶんと勝手なことをしてくれたな?」
「うれしいなぁ…君は私のことを意識し始めたってことだよねぇ…うれしか…」
「いやぁよかったよ…ポストに一杯手紙書いたのに全部燃やすんだもの…かなしいなぁ…」
「俺はお前が嫌いだ」
「これからはもっと私を知ってもらうために大胆に動くねぇ…」
「・・・・俺の中で絶対に許せないことが二つある…」
「人の話を聞かない奴と人の恋路に手を出す不届きものだ」
…切ったか
しかしヒントは十分にあった。
①女
②俺のことを猛烈に好いているということ(なぜ俺はこんなにメンヘラが周りに集まるのか)
③この時間帯に公衆電話を使うということは親が気にしないまたは夜遅くに行動できる。
④この公衆電話は毎回同じのを使ってるらしい、突き止めれば足がかりになる。
⑤燃やしていることがばれてるということは俺の家に来て俺を見ている。
⑥俺に対して多かれ少なかれ接点がある。
⑦熊本弁を使う。
俺としても謎解きがちょうどやりたかったんだ…楽しませてくれよ…?
「すまないな…今日の飯はこれまでしか食えそうにないな」
「…なんて言われたの?」
「…答える必要がない」
コイツに相手が悪かったって思い知らせてやる。
なるほどな…俺の家から4キロ離れたところから電話をしたのか。
だいたいこの距離から…1キロ圏内に住んでいる俺の知り合いをたどるか。
その前に…コンビニに寄ろう。
見知らぬ土地でもやはりコンビニの内装を見るとどこか既視感がある、彼は調査に使うのか大きなビニール袋とロープを片手にを手にレジへと進んだ。
店員もそのなぜコンビニで売っているランキングで上位に食い込む二品に驚きつつも恙なくレジ打ちの作業を行う。
見た感じ学生だろうか若く元気に溢れモデルとして活動できそうなほどに整った顔立ちをしていた。
やはり女好きで遊び人の彼は食いつきナンパをした。
「なぁ、ねーちゃん今日いつまでバイト?」
「すみませんお答えすることは…」
「そっか~、じゃあ聞きたいんだけどさ」
「…はい」
「お前が犯人だろ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます