ちゃんとした論争 日常系?


もはや二人兼用となってしまった彼の部屋に喘鳴まじりの喘ぎ声が木霊する。

彼女の部屋にしなかったのはその抑えても漏れ出る声を何とか聴かれないようにしたのかもしれない。

「んぅ…もう…無理だよぅ…ん///…あぁ///!」

「ほらほら早く君が動くんだ…」

「はぁ…はぁ…もう…無理だ…ってば…」




――――「じゃああと10回スクワットで終わりな?」

「むりーぃぃ…」

「ほら!食事制限だけじゃなく運動量も見直さないと痩せないぞ?」

「うぅ…」

彼にとってスパルタではないつもりなのだが運動不足の彼女にとってとてもハードルの高いものだった。

しかし彼女のみのせいではなく、彼女が必死になっている姿を見て汗と食いしばった歯の間から綻び出た唾液の混ざった

言うならば彼女汁を見ていると彼のリョナ魂に火がついてしまい、いじめたくなってしまった。

「そんなにきつかったか?」

ケツを突き出して情けなく倒れこむ幼馴染に声をかける。一見優しそうに見えるが思いっきり彼女のケツを『スパァン!』と景気よくひっぱたいていた。

それはもうひっぱたくというレベルではなくまさしくスパンキングだった。

彼女は驚いたのか痛かったのかはたまた気持ちよかったのか「ひゃん///」と先ほどの喘ぎとは異なる彼のリョナ魂をさらに逆撫でするつやっぽい艶やかな声で鳴いた。

彼女は口では「やめてよぅ…」とは言っていたがその目はどこかトロンとしてハートになっているようにも見えた。

「そんなにきついようなら今日は俺が飯を作ろうか?」

「いやいや…それには及ばないよ」

いつもは彼女に料理を任せている彼だが、彼も料理ができないというわけではなくレパートリーこそ少ないもののそのどれもが店で出せるほどの仕上がりとなっている。

しかし、やはり彼女のほうが手馴れているようで、テキパキと動く上に彼女に作れない料理のほうが少ないほどなんでも作れる。

「ていうかー…そんなに優しくするなら最初から手加減してよー」

「ははは…すまないな、でも負けたのは君だぜ?」

「まあそうなんだけどさー…」

「まぁまぁ…今夜はイチャイチャしてやるからさ?」

「ホント?じゃあ君の初めてと私の初めてを交換しよう!」

「せめて18になったらなー」

「もー…キミはいつもいい加減なのになんでそんなところだけ奥手というか…計画的なのー?襲ってよー」

「オメーが無計画なだけだ!、いいか?俺はな俺の自由を脅かされることが一番嫌いなんだ!もしも何か間違いがあってみろ!どれだけ俺の自由な時間がそがれることか…」

「それと比べりゃ、性行為なんてちゃっちいもんだ」

「でも私はそうやって私に愛してるか確かめたいの!」

「愛されてる実感が欲しいんだよっ!じ っ か ん!!」

「メンヘラこわーい(棒)」

「私はメンヘラじゃありませんーっだ!君がほかの女性と仲良くしてても何も思わないよー?」

「はぁ…はぁ…マンハッタンカフェ(ウマ娘)ちゃんの飲みかけのコーヒーペロペロしたい…」

「はは、殺す」

「ほらな?」

彼たちにとっては頭にカカト落としを食らったこと以外はのんびりとした平凡な一晩だった。

ただいつもより少し甘いくらいの。

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