第九の論争 酔わせて、はだけて、理想郷
一週間はいるといっても学生の彼らは学校に行ったり二人の時間(意味深)を作るために子供たちだけでは別々になったりと
あっという間に時間が過ぎていった。
「今日からまた外国に?」
「う…うん…今度はアメリカにね…」
やけにやつれているようで頬が少しこけはじめ顔色も青みがかかっていた。
毎夜毎夜の連戦でさすがに搾り取られたのだろう。
そう思うと目をそらしたくもなった。
彼女の母が時間だとせかす。
「それじゃあ僕はもういくよ…娘をよろしくね…」
「できる範囲で頑張ろうと思ったら頑張る」
「できれば頑張ろうとしてほしいな…」
「あいよ、そいじゃまた」
「うん…じゃあね…」
「おとーさんじゃーねー」
廊下からひょいっと顔を出した幼馴染が別れの言葉を残しそのまま出迎えた。
タクシーのバックミラーに映らなくなるまで手を振って別れの挨拶をすました。
「もう夜も遅いけどどうする?おかーさんを待って夕飯にするかいつも通り私が作るか」
「それじゃあ二人で食べようか」
「はーい♪じゃあ親のいない間に二人水入らずイチャイチャしよーね♪」
そう言い残し夕飯の準備をし始めた。
なんか冷蔵庫にいいもんないかなーと思い彼が冷蔵庫の戸を開けるとカシスオレンジと書置きが残っていた。
―――――
このカクテルは女子受けがいいのに対してかなり濃い目のアルコール濃度だ。
娘にこれを飲ませて二人の仲を進展させるのに使ってくれ。
ゴムは僕の部屋の二つ目の机の引き出しにある。君たちへの
幸運をいのる。
ps
あんまりやりすぎるなよ?
「…………あのさー、ちょっとこのお酒飲んでみない?」
「これなら君でも飲めそうだし気に入ると思うよー?」
「アルコール度数も全然ないから大丈夫だってー(11%)」
台所にいる彼女を呼びつけるとエプロン姿のにあう彼女がトコトコとやってきた。
「もし嫌いだったら俺も手伝うからさー」
「はいっ、飲んでみて?」
恐る恐る口をつけて二三ミリ呑み込む。
「ん…おいしいね…これジュースみたい」
「でしょ?」
「うん!おいしいおいしい」
計画通りの見慣れてない彼女は駆けつけイッキをしてしまいあっという間に顔が赤くなる。
「ふえ~これおいしぃ~」
「あらあら、酔っぱらっちゃった?(ニヤリ)」
「ほんなことほないよ~」
「まあまあとりあえず座りな?」
なんて優しそうに言っているが彼女の大きな胸を指先で持ち上げるかのようにつかみ揉みしだいている。
「うーん…ありがとぉ~」
何だかんだで直接そういったことは避けてきた彼は興奮しまくっていた。
(あの書置きはそういうことになっても面倒ごとは責任を取ってくれるってことだよな?俺は知らんからな?そういうことだよな!…よーっし…)
彼はおもむろに服を脱ぎ始めた。
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