第八の論争 親、盤石の準備
――――――翌朝
「あったま痛てぇ…」
ちゃんと布団で寝ていたようで目が覚めると半裸で自分の布団の中にいた。
「??、なんかもぞもぞするな…」
ふと隣を見ると…同じく半裸で寝ていた幼馴染がいた。
「・・・・・・へ??」
「うーん…もう朝…?」
彼女もまぶしい日差しで目を覚ましたのか目をこすりながら起き上がる。
どうにもブラも何もつけていないようだ。
(嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘…とうとう酒の勢いで…やっちゃった?)
慄きながらなくした記憶をたどるがどうにも心当たりがない。
そんな彼を見透かすように彼女が言った。
「うれしい♪やっと決心をしてくれて…」
(確定ですどうもありがとうございました、リセマラを今からしてきます)
辞世の句を上の句まで読み始めたところで彼女がくすくすとわらう。
「うふふ♪ほんとは何にもなかったよ?」
「…は?」
「いいや…記憶がないみたいだったから裸で入ったらどんな反応をするかなって♪」
「えっ……?じゃ、じゃあなんもしてないの?」
「君をベットに運ぶのにどれだけ大変だったか…」
「ああ、ありがとう…じゃねえよ!マジで焦った!殺すぞ!」
(ん?ちょっとまてよ…やってないにしても…今隣にいるこいつは…全裸!?)
「でも待てよ…すると今本当に全裸なのか?」
「ほらほらー♪」といいながら胸を寄せて色っぽさを醸し出す。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!ブチッ…ドサ…」
「興奮のあまり脳の血管がイったか」
「あったま痛てぇ…」
「あれ…布団で寝てる?」
「お?おはよう…私が運んだんだからねー」
目を覚ますと30代にも見える奥さんがたっていた。
「ははは…昨日はすまなかったね…」
「ほんとだよー久々に彼と飲めたからって羽目を外しすぎだよー」
「未来の息子になるんだ…いいだろ?別に」
「一応彼は未成年なんだからねー」
「はは…これは手厳しい。」
「私も昨日は楽しみにしてたのに…彼にNTRされたんだから煮え湯を飲ませれた気分だよー」
「私も彼をNTRしちゃうよー?」
「それは彼女も傷つけることになるぞ…と痛たたた…」
立ち上がろうとしたが頭痛に阻まれる。
「ああ…そうだ…そうだ…彼に知らせなきゃいけないものがあるんだった…」
「あ…おっさんおはよう」
「あ…おはよう…昨日はどこまで覚えてる?」
「俺は8本目までかな…」
「僕はもう6本目からないや…」
「そうだ!君に言わなくてはいけないことがあったんだ…」
そういうと胸ポケットから厚みのあるものを取り出す…預金通帳?
「これは…君たちの結婚資金だよー」
「え…?」
「あくまで貸すだけだからそんな身構えなくても大丈夫だよー」
「いろいろと最初のうちは経済的にきつくなるだろうと思って貯めてたんだー」
「まじかよ…おっさん…いいのかよ?」
「まあ正直に話すと君の両親のほうが出してるからねー、わからないと思うけど君の家ってすっげえ金持ちだよー?」
「200程あるよー」
「まじか…ありがとう!じゃあ今からパチで増やしてくる!」
「あはは、倫理観どうなってんだ」
いつの間にか外堀がマジノ線なみに埋められていることに彼は気づいていたがそこまで危機を感じていなかった。
彼としてもそこまで問題ではないのだろう。
ここまで来たらほぼ確定しているが彼はどうにも楽しみたいだけのようだった。
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