第八の論争 親、飲酒feat.彼

軽めの夕飯を終えてお楽しみがやってきた。

彼女と彼女の母はお互いにお互いの男がとられて暇だからかどこかに消えていた。

「それじゃー…一本目はこれ!ギネスビール!」

「たしか中にクリーミーにするとかで球が入ってるんだよね?」

「そうそう♪これは飲んだことは?」

「ないねー」

「それじゃこれに会うつまみは僕が選ぼうかなーー、じゃあ…これに会うのは…たれの焼き鳥かなー」

「お、それは彼女が作ったヤツだ」

「へー…なかなかいい出来だね…いいお嫁さんになるよ…」

「それじゃあいただきまーす」

『カシュッ』と缶の空く音が久々の飲酒ということもありまるで福音にも聞こえた。

「うーん…なんか黒ビール特有の焦がした苦さが強くね?」

「まあ、確かにねー人は選ぶかも」

「あんまり気に入らないかな…」

「そっかあー…でも香りの強さとたれの香ばしさが結構あうよ?」

「うーん俺はもっと麦芽の甘さが強いほうが好きかな…」

「確かにねー、でもそれはたぶん日本のビールに慣れてしまってるんだよー」

何だかんだ気に入らないなど不評だったがあっという間に飲みほされてしまった。


「それじゃー二本目は…はい!王道のスーパードライ!」

「ここにきてドライがくるかー」

「好きでしょ?」

「一番好きだけど…外国のお土産を期待しちゃうよね」

「まあまあそういわず…」

「やっぱりドライはビッグカツからの塩漬け枝豆でしょ!」

「わかってるー!」

「このビッグカツのガツンと理性に来る油と味の濃さ…たまんね~」

「そして枝豆の多少残った青臭さでリセットからの圧倒的塩味…」

あっという間に二人でドライを4缶開けてしまった。


「ふぁー…つぎはこれぇえ…なんかわからんドイツでかったクラフトビール~」

「おっさん結構きてんなー、まあ俺も顔が熱くなってきたけど…」

「ふええぇぇ…これってすごいフルーティーなんだーぁぁ~…」

「これは飲みやすいねやっぱりフルーティーなやつはつまみ無しがいちばんだよ」

「うへ…うえっへ…」

仕事の疲れや外国を転々とするストレスが溜まっていたのか酔いがいつもより早かったように感じる。



――――――数分後…

「うわ…ちょっと…二人とも…飲みすぎ…顔真っ赤だよ!」

「うるせぇなあ…今多少赤くてもどうせ死ぬときにゃ真っ青だってんだ」

「ははは!いいこと言うな~お婿に来てくれ~」

「君になら…むすみぇも…やれる…」

「あれぇ…もう酒ないよぉ?どこ?」

(…地獄の底か…)

母(…今日したかったのに…!)ムラムラ…イライラ…

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