第八の論争 親、再会
彼たちが小さい頃は彼らの親もずっと家におりお互いの交流があった。
彼らの親は四人とも同じ学校の同窓生ということもあり、子供の世代の彼らにとっては親は4人いるようなもんだった。
彼たちがゲームでもしながら過ごしていると庭先にタクシーが止まり中からは茶のトレンチコートを羽織った40前半として年相応の程よいおっさん臭のする格好で降りてきた。
「かえって来たみたいだぞ?」
「ああそう」
「ああそうって…ゲーム終わらせようぜ?」
「ダメ、君に勝てるまでやらせて!」
「おいおい…これで32戦目だぞ?ほら、早く迎えにいくぞ?」
「ふーん…ハメ技とか使うんだ………殺す!!」
「いいから来いっての」
彼女の腕をつかみ立ち上がらせ玄関に向かおうとすると彼女の拳が飛んできた。
「ゲームじゃあ勝てないんだからリアルファイトじゃゴラ!」
「だからオメーとゲームしたくねえんだよっ!この!!」
とごたごたとしていると玄関が開き彼らを見た彼女の父がフッっと笑い。
「ただいま、やっぱりお二人さんは仲がいいねー」
「あ、おかえりおっちゃん」
「おら!ボディががら空きじゃ!おら!ふんっ!」
「おめっ…やめろっての…」
父が帰ってきたというのに一向に止まる気配のない彼女を止めながら久々の再開を喜ぶように抱きかかえる。
「うふふ…久しぶり…」
「あ…おかえり」
「なんだよーそっけないなー」
「私よりおかーさんに会ってきなよー」
「一緒に駅から帰ってたわよー」
と父の後ろから母がひょいっと現れる。
「迎えにいってから遅かったねー」
「ちょっと薬局にね…」
(ほらね、やっぱり今日やるつもりじゃん)
そう思っていると彼女の父からアイコンタクトで『しばらく娘を避難させてくれ』と言っているのが伝わる。
「久しぶりに晩御飯をみんなでたべれるよー」
「ああ、そうだったそうだった今日はいろんな国のビールを持って帰ったんだー♪」
「おー!いいねー!こっちはこっちでつまみを準備してたよ、こりゃあ今夜は長くなりそうだ」
「いろんな意味でねー」
(おとーさんと彼はやっぱり仲いいなー)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます