第六の論争 彼の手腕と非人間性
手足を括りつけられた椅子の上で目を覚ます。
またか…何度目だ…こんな目覚め方は…
彼はこの後に起こりえる可能性を完全に理解はしていたがやけに冷静だった。
辞世を受け入れているのではなくここまで予測通りに動いてきたかのような。
「今度は…どうしようかなー…」
手元が暗くてよく見えないが何かしら棒状のものをもって脅すように近寄ってきた。
「普通…あんな裏切られ方をされたらあきれて離れたりするんじゃないか?」
「そんなことないよーなんせ愛してるんだから」
かわいらしいセリフに反してやけにおどろおどろしかった。
(だがここまでは予想通りだ…早めに行動に移してしまおう。この依存型メンヘラ野郎にはこれが正解だ。)
「じーー…」
彼は彼女の太ももを凝視し始めた。さすがに彼女もすぐに気が付き。
「私…今怒ってるんですけど…」
「いや…魅力的だったから…」
「そんなことで許されると思ってたの?ずいぶんと浅はかになったもんだねー」
「君が私に距離を置きたいって嘘ついてほかの女に見とれてたのに…虫が良すぎると思わないのー?」
落ち着いた口調で詰め寄るがその節々に怒りを必死にこらえようとするさまが浮き彫りになっている。
(ここらで…決めるか…)
「嘘…?いや…嘘じゃないよ?」
「へ…?」
「こうやって君を傷つけてばかりだし君に好きだと言ってみても裏があると疑う…なあ…俺たち距離を置くとかじゃなくて」
「本当に別れようぜ…?」
「嘘…だよね…」
「ほら…すぐそうやって嘘だって疑って俺のこと信じないでしょ?もう無理だよ」
「ちが…違うの…ごめんなさい!本当にごめんなさい!お願い…許して!ほ、ほらエッチしよ!?」
「ほ…ほら…私頑張るから…どんなプレイもするから…だから…お願い…許して…ヤダ!見捨てないで…お願い…」
と彼に駆け寄り服を思いっきり引っ張り抱き着こうとする彼女を払いのける。
彼女の顔は涙と唾液が溢れぐちゃぐちゃになっている。
(ああ…ゾクゾクする…楽しい…この光景を見るためにのぞきをけしかけたんだ…こうでなくちゃ…)
(リョナ公…お前の言うことは正しいよ…おれは…リョナラーだな…)
「そんなに頼まれても…こんな風に人を拘束する人はなあ…」
「ご…ごめん…今すぐ外すから…」
と言い拘束を解く。
「はい…それじゃあ俺はもうここらで…」
「待って…!ねえ!お願いだから!」
ゾクゾクゾクゾク…
(これだよ…これこれ…やっぱりコイツ好きだわ…は…はは…はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!)
「そうやって言われてもねえ…俺としてはもう…続けることはどうにも」
「ねえ!!お願い!私…君なしでそうしたら…」
(そろそろ引き際だな…このままじゃ君の足を切り落としたらどこにも行けないね的なメンヘラになってしまうからな。)
「はあ…まあ今回のは…俺にも非があるからな…すまなかったな…」
「そ…それじゃあ!許してくれるの!?」
いきなり元気になった。
「俺を許してくれるかい?」
「うん!だから…私を許して?お願い!」
「ああ…そうだな…」
「ああ…ありがt」
「ただし、俺に依存するような距離感をやめろ、いいな?」
「は~い♪」
「それより…本当にどんなプレイでもいいんだな?」
彼女の顔が赤くなりもじもじとしながらもどこかうれしそうな表情を浮かべていた。
「う…うん♡」
「ゴムは?」
「君の言う通り…買ってあるよ…」
「それじゃあ…今から俺の部屋にこい…」
「うん♡」
「それじゃあたくさん奉仕してもらうぞ?」
――――昨晩は…お楽しみのようで…
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