彼女の論争過去2
―ー中学生の頃…
教室には黒板にチョークのあたる音と先生の声が響き渡る
「こうして枢軸がマジノ線を華麗に迂回をし…」
世界史の館林は最近離婚したとかでしばらく気が立っている
そんな授業中に話し声がした。
「えー!忍者ってもういないのー!」
授業中にもかかわらず大声でリアクションをとるアホな女が一人……私だ…。
「おい、テメエちょっと前でろ!」
ドスの効いた恫喝するような口調で私を呼んだ。
呼ばれた私は恐る恐る前へ出る。
「何さっきからしゃべってんだ!あん?」
「もういい、そんなにしゃべりたいのなら前でしゃべれ!」
「すいません…」
「すいませんじゃなくてしゃべれよ、しゃべりたいんだろ?ほらしゃべれよ!」
私はもう泣きそうになっていた。そんな私を知ってか一人の男が立ち上がった。
「おいおい、館林」
その男は教養はあるくせに頭と性格が悪くめっぽう口論に強い男……私の幼馴染だった。
「さっきから黙って聞いてたらよそれは刑法223条の義務ではないことを強要する、権利行使を妨害する行為に該当する強要罪じゃねえのか?」
「……はあ?お前何言って」
「確かにコイツはうるせえぞ?クッソうるせえぞ?」
「だがな、てめーのそれは明らかに教育の範疇を越えてるだろうが」
「生徒を…ましてやコイツを必要以上に叱咤してるんじゃねえのか?」
「教育基本法の第一原則として健全な人格の形成に大きく踏み外れた私情の発散だろうが!教師の名が泣くぞ」
「な…何言ってんだ…そんなことないに決まってるだろうが……俺は…教育者として…」
と声を落としてゴニョゴニョと自分に言い聞かせるように何かを呟いていた
「おめーそういや離婚調停中だったな」
「!!ッ、まさか…お前」
「フフフご明察」
ちらちらとポッケの中から何かが見える…あれは…マッチ箱?
「あやまれ」
「…ック…このクズが……すまなかった…もう座ってくれ…」
「それでいいんだ」
「授業を続けるぞ…こうしてフランスは降伏し以降はヴィシーフランスとして…」
ヒソヒソ…ヒソヒソ…
モブA「さすが夫だな!かっこよかったぜ?」
「やめろよ…別にあいつだから庇ったわけじゃ」
A「それよりさ!さっきチラチラ見せてたのって何だったんだ?」
「誰にも言うなよ?」
「風俗店のマッチ箱だ」
「これのおかげで今期の世界史は5だったぜ」
「これが露呈したら裁判は絶望的だぜ?」
「どうやらあいつ一人娘が恋しいようでな」
A「やっぱクズだな」
「どうとでも言え」
授業終了後ー
「ねえねえ、さっきはホントにありがとう!」
「まあストレスでせっかくの足がむくんじゃ困るしな」
「もー、せっかくかっこよかったのに」
「思わずキュンってしちゃったもん」
「股がか?」
「あはは、グーで行くから歯を食いしばれよ?首が折れるから」
「ごめんってごめんってごめんって」
結局2発殴った
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