第2話 疑問

家に帰ってから色々考えた。

“生きる”ってなんだろう?なんで産まれてきたんだろう?

正しいことよりも正しくないことが正義のときもある。素直なことが誰かを傷つけたり悪になることがある。じゃあぼくは一体何?正義感と真っ直ぐなところくらいしか取り柄のないぼくは一体どうなるの?兄みたいに勉強ができるわけじゃない。運動だってずば抜けてできるわけじゃない。交友関係だってあまりよくない。

”ぼく”はなんのために生きてるの?


生きてる理由も、産まれてきた理由もわからないから死のうと思った。何もないぼくが生きているせいで勉強ができない人がいるかもしれない。食べ物がなくて食事ができない人がいるかもしれない。ぼくがいなくなればその人たちが勉強をしたり食事をしたりできるかもしれない。そしたら、ぼくなんかがのうのうと生きているより全然有意義だと思う。


ぼくを産んで育ててくれた両親には申し訳ないけど、喧嘩するほど仲良くしてくれた兄にも申し訳ないけど、先にいかせてもらうね。

死ぬためにぼくは色々な方法を考えた。なるべく苦しくないのがいいな。綺麗な方がいいな。いつ決行するかも決めようと思ったけど、面倒くさくなったから思い立ったときでいいやと思った。どうせすぐ決行される。

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