第6話 謎解きと不思議な少女

私達はやっと謎解きを開始する事ができ、四人で新聞部は始動した。

自分達の目的は、紙飛行機と少女を見つける事。

目的を達成させるために、四人でユーカリが丘を歩いていた。

ユーカリが丘は静寂に包まれ、聞こえるのは、蝉時雨と風鈴の音だけだった。 小さい子どもの声は聞こえない。

特に話す事もなく、私達は、目撃情報の多い南公園付近にやってきた。

「ここだな」

和樹がそう言った時の事だっただろうか、紙飛行機が大量にユーカリが丘の空を舞っているのが見えた。

その瞬間、目の前には少女の姿が見えた。

和樹がその少女を追いかけようとすると、彼女はすぐに消えた。

私達は一時的な白旗をあげて、解散した。 真面目にどうしたらいいのかも分からないで、振り出しに戻った感じがした。

私は和樹には口が出せないので、黙ることしか出来ずに居た。

調査は明日に持ち込むと言う、結論に至った。


そして翌日になり、謎解きが再開された。

またあの公園の付近に集まり、紙飛行機の飛来時間まで待っていた。

「また、飛ぶのかな」

「飛ばなきゃこんなに噂にはならないから、飛ぶだろう」

そこで会話が終わって、しばらく沈黙が続く。その沈黙が続いた後に、とある一筋の青い光が見え、紙飛行機が空に舞った。

その途端、藍色のワンピースを着た少女の姿が見えて、私達は走って、彼女を追いかけた。彼女に追いついた時、私は彼女の手を掴んだ。彼女は笑っている。

「貴女の名前は?」

「私の名前はね、立花たちばな 水夏すいかって言うの」

「なんで、紙飛行機を飛ばしているの?」

「誰かに気付いて欲しかったから。 ずっと気付かれないままで生きてきたからさ、辛かったの」

そういった彼女の顔はどこか悲しそうだった。今まで気付かれもしない悲しみが巡って来てしまったのだろうか。私も同じ感情になったことが何回もあるから、なんとなく一緒の雰囲気を感じる。

「気付いて貰えないのは、悲しいね。 私も昔そうだったからさ、少しだけ思い出しちゃった」

「お姉ちゃんも、私と一緒なんだね」

「一緒だね。 今は仲間が出来て幸せだよ、水夏ちゃんも幸せになれるといいね」

私は彼女にそう話して、彼女の顔を見ると、彼女は泣いていた。

「じゃあ、お願い事叶えてくれる?」

「良いよ、いくらでもお姉ちゃん達が叶えてあげる」

「やったあ〜!」

「でも、遅いから明日にでもしよっか?」

「うん!」

そして、お願いごとを叶える約束を彼女とした。


この時はあんなことが起きるだなんて気付いてなかったけど。








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