第368話 即心是仏その十九 ありのままの現実
「あきらかにしりぬ、心とは
はっきりとわかる。心とは山河大地であり、日月星辰なのである。そうであるけれども、このように言うところを(まだ足りないと思って)進んでいけば不足することになり、(もう十分だと思って)退くならば余計なものが出てくる。山河大地という心は山河大地のみである。そこに波浪はなく、風になびくかすみもない。日月星辰という心は日月星辰のみである。そこに霧はなく、かすみもない。
「すゝめば不足あり、しりぞくればあまれり」は、ありのままに心身で受け止めればよい、これじゃ足りないとか、もう十分だとか余計なことを考えてはいけない。今この瞬間を一生懸命に生きるだけだ。
山河大地は山河大地であり、日月星辰は日月星辰だ。ありのままである。人間は脳味噌を使ってあれこれ妄想して余計なものをくっ付けたがる。そんなことはをしてはいけない。妄想は妄想を呼んでありのままの現実から遠のくばかりだ。世の中を見ていると現実が見えなくなってわあわあ騒いでいる人間で溢れている。自分は正しいという妄想に囚われて訳のわからないことをやっている。それではいけない。ありのままの現実を現実としてはっきりとわからなければいけない。
ではどうするか。坐禅すればいい。その瞬間、山河大地は山河大地、日月星晨は日月星辰だということが心身で理解できる。坐禅するしかないのだ。
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