第359話 即心是仏その十 真の仏教
「大証国師(南陽慧忠禅師)は
南陽慧忠禅師は六祖大鑑慧能禅師の優れた弟子である。天上界、人間界の偉大な指導者である。南陽慧忠禅師の示す重要なことをはっきりと自分のものとし、仏道を学ぶ手本にせよ。先尼外道の考え方だと知って従うことをしてはいけない。この頃は偉大な宋の国のあちこちの寺の主人と称する輩で南陽慧忠禅師のような者はいない。過去から南陽慧忠禅師に等しい力量を持った指導者はいまだかつて世界に現れていない。そうであるのな世の中の人間は誤って思うことに
南陽慧忠禅師と僧の問答についての道元禅師の解説。
道元禅師は南陽慧忠禅師を非常に高く評価されている。一方で臨済義玄禅師や徳山宣鑑禅師のことは南陽慧忠禅師より劣るとおっしゃっている。
臨済義玄禅師、徳山宣鑑禅師は名高い。臨済義玄禅師は臨済宗の開祖とされている。しかし道元禅師はこの二人について仏道の理解は十分ではない、南陽慧忠禅師に劣ると評価している。道元禅師は正法眼蔵の中で度々このように厳しい評価をされている。
真の仏教とは何かについて道元禅師には揺るぎ無い確信があるのだ。本来突き詰めていけば、仏教とは何かについて結論が出るのだろう。しかし今の世の中でその議論は成立しないだろう。とてもじゃないが議論百出、それぞれの思惑、利害があって収拾がつかないだろう。
個人個人が信じられるものを探すしかない。
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