第354話 即心是仏その五 外道の説く「心」③

 「昭々霊々としてある、これを覚者智者のしょうといふ。これをほとけともいひ、さとりとも称ず。自他おなじく具足し、迷悟ともに通達せり。万法諸境ともかくもあれ、霊知は境とともならず、物とおなじからず、歴劫りゃくごうに常住なり。」

 (霊知・霊魂は)はっきり明らかに不思議なものとしてあり、これを悟った者、智慧のある者の本質という。(霊知・霊魂を)仏とも言い悟りとも言う。自他ともに同じく具足しており、迷いにも悟りにも通達している。森羅万象・環境はどのようであっても物とは同じではなく、未来永劫に常に存在するのである。

 外道の考え方による心の説明が続く。

 人間の本質は霊知・霊魂であり、霊知・霊魂を仏と称したり悟りだと言ったりする。肉体は消えてなくなっても霊知・霊魂は永遠なのだ。これもよく聞く話だが、仏教の考えではない。

 スピリチュアルという言葉を聞く。霊魂が不滅だと信じたい人は信じればよろしい。それで満足できるなら他人がとやかく言う必要はない。

 科学的ではないとスピリチュアルを批判する人がいる。私は科学が説明できるのは森羅万象の一部に過ぎないと思っているので、科学的ではないから駄目だということには与しない。

 ただ、霊魂があってそれは不滅だと言われても、それが生きるのに役に立つとは思えないので関心がないだけだ。

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