第314話 身心学道その二 前仏後仏

 「仏道を学せざれば、すなはち外道げどう闡提せんだい等のどうに堕在す。このゆゑに、前仏後仏かならず仏道を修行するなり。仏道を学するに、しばらくふたつあり。いはゆるしんをもて学し、しんをもて学するなり」。

 仏道を学ばなければ、そのまますぐに仏教ではない考えや真実・真理に至ることの無い境遇に堕ちてしまう。このため、釈尊以前も以降も必ず仏道を修行したのである。仏道を学ぶのに、いまここに二つの方法がある。いわゆる心をもって学ぶことと身をもって学ぶことである。

 闡提というものがどういうものかよく知らない。成仏する因を持たないものなのだそうだ。

 前仏後仏については、前仏とは釈迦牟尼仏つまり釈尊のことであり、後仏とは釈尊後56億7千万年に現れる弥勒菩薩とするのが一般的なのだそうだ。釈尊もその56億7千万年後の弥勒菩薩も仏道を修行すると読んでもおかしくはない。

 ただ私は前仏を釈尊の前の仏、過去七仏としたい気がする。釈尊の前もその後もずっと仏道を修行するとした方が、仏道修行が過去からずっと続いているということを伝えられるような気がする。

 身で学す、心で学すとはどういうことか。この後道元禅師が解説をされる。まずは心で学すからとなる。

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