第274話 仏性その八十三 自由自在な風

 「現前の衆縁しゅえんと認ずるは使得無礙風すてむげふうなり。これ最上乗なる是仏ぜぶつなり。この是仏の処在、すなはち浄妙国土なり。」

 目の前に現れている様々なことは因果関係が寄り集まって構成されているのだと認識することは何にも邪魔されない風を自由自在に使いこなせることになる。これが最上の乗り物であり、これが仏なのだ。この仏がいる場所が、すなわち浄妙国土なのである。

 この世界では様々なことが起こる。突然起きたことのように見えてもよくよく調べてみると原因があるものだ。その原因は種々様々であっても原因はある。この世の中の有り様をありのままに、原因結果の有り様をありのままに捉えることができれば、自由自在である。何かに妨げられることはない。

 この時この世界は素晴らしいものとして展開される。

 これは坐禅すれば実現するのだ。

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