第262話 仏性その七十一 老大、年少

 「いはんや国師は馬祖の子なり、大潙は馬祖のそんなり。しかあれども、法孫ほっそん師翁すおうどう老大ろうだいなり、法子ほっしは師父の道に年少なり。」

 言うまでもなく、国師(塩官斉安禅師)は馬祖道一禅師の弟子であり、大潙(潙山霊祐禅師)は馬祖道一禅師の孫弟子である。そうではあるけれども、孫弟子は師翁となる馬祖道一禅師の教えについて優れており、弟子は師父となる馬祖道一禅師の教えについて十分ではない。

 道元禅師は馬祖道一禅師を高く評価しておられると思う。その直接の弟子である塩官西安禅師より孫弟子にあたる潙山霊祐禅師の方が優れているとおっしゃっている。

 道元禅師は正法眼蔵で祖師方をかなり厳しく評価することがある。道元禅師は仏教とは何か、真の仏教は何かを掴んでおられたので明確に評価を下されている。

 勿論、塩官西安禅師が仏教を理解していないということ手はない。理解の程度が潙山霊祐禅師より浅いということだろう。

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