第243話 仏性その五十二 坐禅は完璧なのだ

 「もし身現をもとめば、円月相を図すべし。円月相を図せば、円月相を図すべし、身現円月相なるがゆゑに。円月相を画せんとき、満月相を図すべし、満月相を現すべし。しかあるを、身現を画せず、円月を画せず、満月相を画せず、諸仏体を図せず、「以表」を体せず、「説法」を図せず、いたづらに画餅わひん一枚を図す、用作什麼ようそしももっ什麼なににかん)。」

 もし身現を求めるのならば、坐禅することで円月相を現せばよい。円月相を坐禅することで現わせば、円月相が現れる、それは坐禅した身体が円月相だからである。坐禅して円月相を現わそうという時は、欠けているところのない満月相を現わすことになる。そうであるのに、坐禅して身現を現わそうとせず、円月を現さず、満月も現さず、仏の身体を現さず、身体を以て表すことをせず、説法をすることもなく、いたずらに絵に描いた餅を示している。そんなことをしてどうしようというのか。

 坐禅をせよ。坐禅した身心で真実・真理を実現・実証せよ。道元禅師はそう説かれている。

 身現円月相とは坐禅することである。

 坐禅をすると身心が正常な状態となる。体の歪みが取れる。骨格と筋肉が正常な位置に戻る。気持ちが落ち着く。坐禅した時の私の実感だ。

 坐禅してみてください。

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