第200話 仏性その四十四 無仏性

 「四祖いはく、汝無仏性。いはゆる道取は、汝はたれにあらず、汝に一任すれども、無仏性なりと開演するなり。しるべし、学すべし、いまはいかなる時節にして無仏性なるぞ。仏頭ぶっちょうにして無仏性なるか、仏向上にして無仏性なるか。」

 四祖の言うことには「汝無仏性」。この言葉は「汝」は具体的な誰ということではなく、お前さんはお前さんそのものであるけれど無仏性だと言っているのである。知らなくてはいけない、学ばなくてはいけない、今この瞬間はどういう時であって無仏性なのか。仏の頭まで登って無仏性なのか、仏となってさらに無仏性なのか。

 仏教では「無」という言葉が出てくる。ここに記した続きでも無仏性について書かれている。

 私は「無」とは坐禅した身心の状態、その身心が感得する世界のことだと思っている。理屈でむーむー言ってもしょうがない。頭の中で、脳味噌でひねくり回しているとおかしくなってしまうと思っている。

 無仏性とは、無=仏性、坐禅した身心=仏性ということだと思っている。

 道元禅師はこのことをいろいろな角度から様々な表現で説かれているのだと思っている。

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