第198話 仏性その四十二 自分の外側に真実・真理を求めるな

 「五祖いはく、「是仏性ぜぶっしょう」。いはくの宗旨そうしは、は仏性なりとなり。何のゆゑに仏なるなり。何姓かしょうのみに究取きゅうしゅしきたらんや、是すでに不是のとき仏性なり。」

 五祖がいう「是仏性ぜぶっしょう」。この言うところ重要なところは是=今この瞬間の有りようが仏性であるということである。何ものかとしか言いようのない真実・真理であるから仏なのである。是は何姓であるとだけ考えて突き詰めていいだろうか、そうではない。是とか不是だとか言葉の上の観念的なものではない絶対の事実であるのが仏性なのだ。

 「私の姓は仏性」ということではない。是=仏性ということなのだ。今この瞬間生きている。このことが真実・真理なのだ。真実・真理を自分の外側にうろうろおろおろ探し回ってはいけない。そんなことをすれば訳が分からなくなるだけだ。

 我々は本来真実・真理なのだ。我々=是=仏性であるのにそれを見失っているだけなのだ。だから坐禅して取り戻さなければいけない。

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