第183話 仏性その二十六 お先真っ暗
「いはゆる「欲知仏性義」は、たとへば「当知仏性義」といふなり。「当観時節因縁」といふは、「当知時節因縁」といふなり。いはゆる仏性をしらんとおもはば、しるべし、時節因縁これなり。」
「欲知仏性義」というのは言ってみれば「今この瞬間に仏性を知る」ということである。「当観時節因縁」というのは「今この瞬間の有りようを知る」ということである。仏性というものを知ろうと思うならば、知らなければいけない、今この瞬間の有りようが仏性である。
一切衆生=悉有=仏性だ。仏性を知りたいと思ったその瞬間、今この瞬間に仏性を知るのだ。ありのままのこの瞬間の存在が仏性であることを知るのだ。今この瞬間の有りようを観る=今この瞬間の有りようを知るということだ。今この瞬間のありのままの事実が仏性である。
この世界は真実・真理に基づいた極めて美しい秩序だった均衡のとれたものなのだ。人間自身も本来極めて美しい秩序だった均衡のとれたものなのだ。
しかし人間は欲望、知識、思想、主義、情報などによって自らを歪ませ、そして世界を宇宙を歪ませてしまう。
ロシアとウクライナは延々と殺し合いを続けている。世界中で「自分は正しい」という妄想に憑りつかれた連中が騒動を起こし続けている。
いい加減おやめなさいな。正気に返りなさい。本来の面目を取り返しなさい。
けど、坐禅しない限りそれは不可能なのだ。坐禅しそうもないねえ。いやはや。このままじゃお先真っ暗ですな。
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