第145話 摩訶般若波羅蜜その十六 大宇宙を見よ

 「而今しきんの「一苾蒭いちびっすう」の「竊作念せっさねん」は、「諸法」を「敬礼きょうらい」するところに、「雖無生滅すいむしょうめつ」の般若、これ敬礼なり。」

 この時一人の仏弟子がひそかに思いを起こしたことは、大宇宙の森羅万象を敬い礼拝するところに、「真実・真理は生起したり消滅したりするものではない」という智慧が現れ、これを敬い礼拝するということなのである。

 人類は大宇宙の一部であり、大宇宙は真実・真理そのものである。真実・真理は永遠不変である。坐禅した身心は大宇宙と一体となりこの永遠不変の智慧を体得することになる。

 人間の脳味噌で考える能力は凄い。しかし、その能力は正しい身心のもとに使われなければ悲惨なことになる。ロシアとウクライナの戦争、北朝鮮のミサイル乱射、欧米とロシアの対立などなど、それぞれの狭い立場で「自分は正しい!」と叫びあっている。

 ちょっと落ち着きなさい。大宇宙を見なさい。坐禅して大宇宙の真実・真理を感じなさい。

 それしか救われる方法はないけれど、駄目だろうなあ。やれやれ。

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