第138話 摩訶般若波羅蜜その七 戒律は当たり前のことに過ぎない
浄戒(持戒)は戒律を守るということ。
仏教でいう戒律って私の理解ではごく当たり前のこと、普通のことと思っている。つまり殺さない、嘘をつかない、盗まない、自分を褒めて他人をけなさない等だ。
人間は本来こういうことができないものだと思っている。しかし本来の状態を見失ってしまいがちだからこういう戒律を示しているのだろう。
坐禅して本来の状態、本来の面目を取り戻せば戒律を特に意識しなくても戒律を犯すことはない。
けどねえ、当たり前のことができてないのが今の世の中。ロシアとウクライナは互いに殺し合いを続けている。どちらも正義の名の下に殺しあっている。中国も武力行使を排除しないと言っている。つまり殺してもいいと思っているということだ。盗みなんて毎日何件も起こっているだろう。世の中に嘘が溢れているのはネットをちょっと覗けばすぐにわかる。自分を褒めて他人をけなす人ばかりですよね。政治家なんてその最たるもんだ。有名になる人ってほとんどが自分を褒めて他人をけなしている。
つまり今の世界は当たり前のことができていない人間で溢れているということだ。これを異常な世界と言わずして何というのだろうか。
当たり前のことを言うと「そんなことじゃこの厳しい世界で生きていけない」とか言われてしまうんだろうな。
「厳しい世界」なんじゃない。「異常な世界」なのに。
坐禅して本来の姿、本来の面目を取り戻しましょう。当たり前のことが普通にできるようになりましょう。
本来の面目を取り戻せない限り人類の未来は暗澹たるものだと思う。
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