第111話 現成公安その十 坐禅して本来の姿に戻れ

 「人、はじめて法をもとむるとき、はるかに法の辺際へんざい離却りきゃくせり。法すでにおのれに正伝するとき、すみやかに本分人ほんぶんにんなり。」

 人間が初めて法つまり大宇宙の真実・真理を自分の外側に求めようとする時、真実・真理からはるか遠く離れ去ってしまう。坐禅して大宇宙の真実・真理と一体となり、真実・真理を実現・実証した時、即座に本来真実・真理の存在である自分自身となる。

 真実・真理を自分の外側に求めることは混乱と悩みを深めるだけだ。

 人間は千差万別だ。「こう生きればいい」なんて決められはずがない。それなのにどこかに何かあるんじゃないかと本を読んでみたりする。それはまだましだが、怪しげな宗教団体に取り込まれてしまうなんてことが起こる。

 森羅万象すべて大宇宙そのものだ。人間も当然本来大宇宙と同一だ。だから真実・真理は自分の中にある。それを実現・実証するための唯一の方法が坐禅なのだ。

 他人から「ああせい、こうせい」と言われなければ生きられないんじゃ話にならない。自分の人生は自分で生きるしかない。そんな当たり前のことがわからなくなることが往々にして起こる。そこに怪しげな奴らがつけ込んでくる。

 坐禅して本来の自分、大宇宙の真実・真理そのものの自分に立ち戻りましょう。

 

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