第42話 辦道話その三十一 頭脳が混乱を引き起こす
「しるべし、たとひ
知らなければいけない。たとえ世界中のガンジス河の砂粒の数ほどの仏といわれる方々が皆で力を合わせて、仏としての智慧をもって一人が坐禅することが持っている力(効果、効用)を推し量りはっきりさせようとしてもどれほどの力を持っているかわかることは絶対にない。
坐禅すると大宇宙の真実・真理の状態と一体となる。この状態が人間の本来の状態、本来の面目である。
大宇宙と一体となるのだから、広大無辺、無限大になるということだ。広大無辺、無限であるから、人間の頭脳、脳味噌の及ぶところではない。
大宇宙の真実・真理は坐禅でのみ体得できる。考えたって得ることは絶対にできない。
坐禅により身心が大宇宙の真実・真理の状態と一体となって初めて頭脳は正常に機能する、使えるようになる。
今の世の中、身心が真実・真理の状態となっていない人間が頭脳、脳味噌をひねくり回して妄想を生み出し、妄想に憑りつかれて世界を混乱させ歪め汚している。
ロシアのウクライナ侵攻の殺戮・破壊、北朝鮮の核兵器開発、日本国内の様々な事件、すべて異常な状態の人間が引き起こしている。
そしてこの混乱をおさめる思想は存在していない。ロシアに対しては結局軍事力の拮抗と経済制裁という名の攻撃でしか対処できない。
罰則強化とか法改正とか言ったところで、守らない奴は守らない。だから事件は必ず起こる。そして罰則強化、法改正。無限の鼬ごっこ。
今の人類は根本的な解決策を持っていないのは明らかだ。
その原因は頭脳偏重だ。考えれば真実・真理に到達するという幻想に憑りつかれている。
現実を見よう。真実・真理なんてどこにあるというのか。それぞれの思惑によってただただ争っているだけではないか。欲望に憑りつかれて人命を奪い、人格を傷つけ破壊してばかりではないか。頭脳が混乱と破壊を生み出しているのだ。
繰り返して書く。まず身心を大宇宙の真実・真理の状態と一体にしなければ、世界に真実・真理を実現することはできない。
だから坐禅するしかないのだ。
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