第30話 辦道話その十九 その考えは正しいか?

 「これらの等正覚とうしょうがく、さらにかへりてしたしくあひ冥資みょうしするみちかよふがゆゑに、この坐禅人、礭爾かくにとして身心脱落しんじんだつらくし、従来雑穢ぞうえの知見思量を截断せつだんして、天真の仏法に証会しょうえし、」

 坐禅することによってバランスのとれた正しい状態、真実・真理の状態になると、全世界のすべての存在と目に見えないけれど助け合うことになり、坐禅した人間はしっかりとこれまで囚われていた身心がけ落ち、これまでの知識や見解や考えを断ち切って本来の真の仏法を経験し理解することになる。

 人間の考えるという能力は素晴らしい。今の生活はその能力によって生み出されたものによって成り立っている。

 しかし、この考えるという能力が人間を破滅に至らしめることもまた事実だ。

 ロシアは、プーチンは自らの正義という考えのもとに殺戮と破壊を行っている。ウクライナも防衛ということだけれど破壊と殺人を行っている。

 経済制裁というのも直接ではないが間接的に人々の生活を苦しめる。

 それぞれが正義を主張し、直接間接に危害を加えることを是としている。

 どの立場も真実・真理から乖離している。自分の考えに囚われ憑りつかれて真実・真理からどんどん遠ざかっていく。

 だから坐禅して「従来雑穢ぞうえの知見思量を截断せつだん」する必要がある。これまで憑りつかれていた混乱した穢れた考え(知見思量)を断ち切らない限り人類は破壊と殺戮をこれからも続けていくことになる。

 これまでの思想は平和をもたらしているか?世界各地で破壊と殺戮は行われている。ロシアのウクライナ侵攻はその中で規模が大きなものということだ。

 これまでの考えは正しいか?このことは考えることだけでは解決しない。

 坐禅し真実・真理の状態、大宇宙の真理の状態になるほかに解決する方法はない。

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