第22話 辦道話その十一 理屈なんか何とでも作れる

 「般若はんにゃ正種しょうしゅちょうじ、得道とくどうの時をえん。」

 般若は智慧ちえ。この智慧は瞬間的に直観で正しいこと、真実・真理に適ったことができるということだと思っている。

 生きるということは瞬間瞬間が生死の境目な訳だから、真実・真理に適っているかが瞬間的にわかって行動できなきゃいけない。脳味噌から絞り出すものじゃない。

 人間の脳味噌は大したものだけれど、正しく使えていない人間が多いんじゃなかろうか。

 ロシアのウクライナ侵攻だって、ロシアには、プーチンには立派な理屈がある。理屈を作ろうと思えば何とでも作れることがよくわかる。

 広島・長崎に原爆を落としたことにだって理屈はあるんだろう。真実・真理に従えば、大宇宙の真理に従えば、核兵器など絶対に使ってはいけない。けれど人間の脳味噌は「使ってよい」という理屈を捻り出す。

 脳味噌を偏重していると悲劇が生まれる。これは歴史が証明している。

 では、般若を実現するためにはどうすればいいのか。般若は本来人間に備わっている。その「種」は備わっている。しかしそれを育て真実・真理に到達することができていない。

 どうすればいいのか。坐禅するしかない。それ唯一の方法だ。

 

 

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