異世界転移でなった役職は死神でした

第4話 戦闘

「かかってこいよゴミ共！」

その金ピカ男の声が戦闘開始の合図になった。

「おいおい和輝コイツどうやって倒すんだ?!」

「分からねぇまさかこんな物騒な物を用意してたなんて予想つかねぇよ。だが今は粘るぞ!」

「了解だ」

と二人は金ピカ男が乗っている兵器の攻撃を回避し続けた。

「おいおい避けてばっかか?歯ごたえねぇなっ！」

「ふっ自分だけ安全だからって随分余裕かましてくれるな。おい和輝いっちょ攻撃してみるか?」

「まだだ」

「ちぇっ」

不満そうなガルダを横目に和輝は兵器を観察した。

（あの兵器、上半身と下半身の隙間にケーブル乗っているようなものがある。あれを切ってみるか）

「ガルダ奴の気を引いてくれ頼んだぞ」

「お〜い俺まだ何も言ってねぇぞ〜」

そう言って和輝はガルダから離れた。

「おいブサイクこっち来いよ」

ガルダは近くにあった壁の破片を兵器に当て、金ピカ男を挑発した。

「な、なな何だとぉぉ！」

金ピカ男は大声を出してガルダに迫っていった。

「おっとお前操縦下手くそだな。俺みたいなゴミさっさと掃除してみろよ?あぁ～でも無理か操縦下手くそだからな…下手くそ」　

「下手くそ下手くそうるせぇな！」

とさらにガルダは挑発した。

「死ねぇぇ！」

と金ピカ男は兵器の腕から剣を出した。

「これで一人はおしまいだ！」　

と金ピカ男はガルダに向かって突撃した。

「そんなもん当たるわけねぇだろ?」

そう言ってガルダは兵器の攻撃を紙一重で回避した。そして兵器は壁に激突し、兵器は壁の瓦礫に埋まった。

「良くやったガルダ」

兵器が行動不可になったのを確認すると和輝はナイフを右手に兵器に近づいていった。

「ガルダ一応離れていろ爆発する可能性がある」

「尚更離れるわけにはいかねぇ、爆発するなら盾がいるんじゃねぇか?」

とガルダは和輝に近づいた。

「どうなっても知らねぇぞ?」

「上等」

「やるぞ」　

そう言って和輝は兵器のケーブルを切った。

すると、兵器から煙が出てきた。

「煙?…っ！？危ねえ和輝!」

突然兵器が動き出し和輝に攻撃を仕掛けた。そしてガルダは和輝を庇い吹っ飛ばされた。

「ガルダっ!?クソっ何でだ?」

そした和輝は兵器を見て、驚愕する。

「俺がケーブルかと思ったんだやつは兵器の上半身と下半身を繋ぐ何かだったのか」

そう和輝の目の前には宙に浮いた兵器があった。

「残念だったなゴミ」

そして兵器は和輝吹っ飛ばした。

「いってぇ」

（ヤバいな間に合うか）

和輝はすぐに立ち上がり兵器から距離を取った。

「逃げても無駄だ」

と和輝との距離を縮めた。

「おいおい俺の事忘れてねぇか?」

とガルダは兵器の背後に立った。

「まだ生きていたか?お前もすぐに殺してやるよ」

兵器はガルダを無視して和輝に近づく

「最後に言い残すことはあるか?まぁ殺すけど」

「あっそ」

「和輝っ!」　

兵器が剣を振りかぶって振り下ろそうとした時、城に警報が鳴り響いた。

「何事だ?」

すると兵器は振り下ろそうとした剣を止めた。

「教えてやろうか?」　

「何をだ?」

「お前の負けということをだよ」　

そう言って和輝は兵器を蹴り飛ばした。

「何っ!?」

蹴り飛ばされた兵器はピクリとも動かない。

「何をしたっ?!」

「何って全ての電源を切ったんだよ。他の奴隷たちが」

そう言うと多くの足音が近づいてきた。

「おい坊主作戦は成功だ」　

と一人のおじさんが親指を立てた。

「よし皆この中身を取り出して脱走するぞ」

「「おおぉぉぉぉぉ!」」

と他の奴隷たちが声を上げた。

「ところで和輝いつ他の奴隷たちとこんな仲になったんだ?」

「あぁそれは仕事中にだよ。そして話しているとこんな仲になっちまった。今回の作戦の成功の要は他の奴隷たちだ。だから脱走の時お前に待ってもらって他の奴隷たちの牢屋を開けに行き、ここに来たときに下から上がってきた看守達を全滅させた。おかげで、他の奴隷たちが楽にこの城を調べることができた。」

「なるほどなだから時間稼ぎをしたってわけか」

「そゆこと」

と和輝とガルダが話しているとさっきのおじさんが近づいてきた。

「おい坊主中身のやつは気絶してやがる。どうする?」　

和輝は少し考えた。

「よしコイツは城の門に死なないように吊るして俺達はこの城の金品を山分けするぞ!」　

「おぉそいつは名案だ聞いたか?今から吊るして金品を奪うぞ!」

そう言うと金ピカ野郎は奴隷たちに担がれ外に向かった。

「死なないように吊るすんだぞ〜」

「まぁ和輝とりあえずはお前に感謝だな」　

「なんのことだ?」　

「不可能を潰す。お前は見事に潰したわけだ」　「何だそんなことか?これからいくらでも見せてやるよ」

それを聞いてガルダは大きく目を見開いた。

「これから?」

「あぁこれから、俺は旅をする。もちろんお前をついてくるだろガルダ?」

「ふっ、お前ってやつはもちろんついていくぞ相棒」

そして和輝とガルダは拳を突き出した。

「まぁあれから面倒くさいことが多々あったが何とか脱走することができた。金品も少しばかり貰い今俺達は馬車に乗り近くの街に向かっている。新しい仲間も増えたしこき使ってやるか」

「聞こえてますよ」

「何か聞こえたかな?俺には何も聞こえなかった。この先俺達には何が待っているのか?楽しみだ。」

「こんな奴とこれからずっと共に旅をするのか」

はぁ～とガルダはため息をこぼした。