つまるところ、それはただの反乱軍

第11話つまるところ、それはただの反乱軍①

「そういえば、君の名前は?」

「ふん。クイーンとでも。」

「わかった。よろしく、クイーン。」



さて、クイーンが学生自警団に入ってから。彼女は、目覚ましい功績を挙げている。例えば、宥めるのが困難で殺すしかないという決定をしたものをすぐに懐かせたり。また、動物たちを使ってパトロールもさせていた。隊長と同じぐらい、いやもはや隊長よりも働いているのであった。


が、それを揺るがす事態が今まさに起こっていた。

「うほっうほうほうほほ。」

ゴリラのゴリちゃんと呼んでいるゴリラが興奮していて、胸板を叩いている。

「ゴリラの族長が、自分たちの仲間が保護区で人間に襲われてピンチだと言っているわ。」

なるほど。そう言ってたのか。

「助けに行ってきていい?あそこはよく知っているし。」

俺の一存で決めることはできないが、、、、「休みの日なら別にいくのは自由だ。次に働く日までに帰ってきてくれれば。」

どうやって行くのかは知らない。

「そうなの。じゃあ、明日行くわ。」


次の日

当日になって、急に心配になってくる。よく知っているとは言っていたがよく言われたような危ない場所だったら、彼女一人でいかせたのは失敗だったのではなかろうか。

「クイーンが心配?」

真希に、顔を覗きこまれる。

「うん。心配」

彼女は、頭についているポニーテールを揺らしながら少し考えていた。

「じゃあ、ついていけば?」

「いや、勤務時間内だし。」

シフトが終わったら、もしかしたら、、、


さて、クイーンはというと。彼女は、タカの背中に乗ってゴリラの元へ急いでいた。

「AIもさすがに、領空の上から言ったら文句は言えないわよね。」

一応、宇宙服みたいなものは来ている。

「さあ、急ぎなさい。あなたたちの仲間を救うために。」


保護区の位置は、正確にはわかっていないが大阪よりも西の地点といったらわかりやすい。その場所にある理由につい、、様々な経緯があったらしいがそれは明らかになってはいなかった。


血なまぐさい匂いが風に乗ってやってきた。腐敗集も一緒である。

森のみんな。

頭の中で、動物たちに呼びかける。

仲間のゴリラが戦っていることは知っているよね。どういう状況か、説明してくれない?


報告によって、状況は完全に把握した。いろいろと、すごいことになっているらしいがとりあえず、ゴリラの救援には虫部隊が行ってくれるようだ。

「気は進まないけど、わが故郷に行ってみるかあ。」

さて、あの家はもう流石に廃墟となっているのだろうか。


森の中の私の家、ツリーハウスは無事であった。よく考えれば、この家は鳥と友達じゃないと入れないからなあ。

5歳の時、この家を作ってから、学生自警団に入るまでここにいたのだ。中は、乱雑に物が散らかっていてそれに愛しささえ感じる。

「でも、ここにずっといるわけにはいかないよね。」

途中でとった木の実を、食べてからとりあえずその日は寝たのだった。


「あー。日差しが眩しい。」

時計はすでに8時を指している。暑苦しい朝だ。

「で、外に出ないといけないのよね。面倒くさいわ。」

服を着て、外に出る。思えば、この家に住み着いて以来外に出たことはほとんどなかった。少し、緊張する。


久しぶりの町は、というと何も風景は変わっていなかった。が、一つ変わっていたことが一つ。

「俺たちは、壁の外に追いやられてきた!!!!!!!今度は、AI達に俺たちが復讐する番だ!!!!!!!」-

「「「おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」」

いま、彼らの目には希望があふれている。動物たちの報告を受けて、ここに来ていたが、すぐに帰ることにした。もう、彼らは動き出しそうだ。

「おい、姉ちゃん。」

ピクリ、と体が動く。

「姉ちゃん、あっち側の人間じゃないか?」

・・・・・皆の視線がこっち側に集まっているのを感じる。冷汗が出てきた。

「そんなわけないじゃない?なんでそう思ったの?」

「こっちの人間は、そんなきれいな服を着てねえよ。」

















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つまるところ、それはただのファンタジー 絶対に怯ませたいトゲキッス @yukat0703

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