Episode1-6 昼行灯 そんな装備で大丈夫か?
応接室で待っていたのは王室御用達の鍛冶職人だった。ヴィッセンシャフトと名乗るその男は、奪われた装備も製作したという。
「装備を渡す前に・・・いくつか説明しなきゃならん・・・まずノイン様のもたらした異世界の文化と軍隊で使われる武器を研究して、手持ちの武器と鎧を数パターン造ったうちの一つが、今回あのクソ野郎に奪われたものだ・・・自慢じゃないがこの世界で最も強力な武装だ・・・映像を見てくれ・・・」
アインが魔法で映像を投影すると、そこにはどこかで見たような銀色の鎧が、光る刀で近衛兵のフルプレートアーマーを盾ごと両断していた。
「・・・・アイ○ンマン?」
小島は訝しんだ。
「鎧のデザインはアイ○ンマンだ。最初のコンセプトは宇宙○事だったんだが、あんなにピカピカ光ったら使い物にならないからな・・・」
「いやその理屈だとアイ○ンマンマークⅡだって目立つだろ?」
「あの銀の鎧は表面に魔法による偽装機能が搭載されている。光学迷彩ほどじゃないが、作動させると肉眼で遠目に発見するのはかなり困難だ・・・装甲は多層構造で物理攻撃からも魔法攻撃からもかなりの防御力を発揮し、装着者の動きを魔力で動くアクチュエーターで補助するのでかなりの速度とパワーを発揮する・・・最新技術のてんこ盛りなのだよ」
「なんだその反則みたいな機能は・・・」
「ただ跳んだり跳ねたりはできるが空は飛ばないよ・・・鎧自体に攻撃武器は搭載してないしな・・・加えてあの剣はギ○バンのレー○ーブレードを参考に造られていて、実体剣のない魔力剣だ。現在最強の剣と言っても過言じゃあないね・・・ドラゴンも一撃だ」
「・・・この世界の鍛冶職人って。。。」
「ここノルドバーン王国は魔法と科学の融合した国で、鍛冶職人はそちらで言う工学博士みたいなものなんです・・・」
ノインが説明するとヴィッセンシャフトは正に「ドヤァ」と言わんばかりの顔をした。
「それで・・・そのご自慢の武器に対抗するのはどんな装備なんだ?同じものがあるようには見えないが?」
・・・お前その説明台詞長杉やねんとツッコミを入れたくなるのを抑え、小島は本題を促した。
ヴィッセンシャフトは机の上の一番小さな箱を手に取ると、小島に手渡した。
「我々がノイン様から伝えられた様々なマ・・・ではなくええ・・・異文化の参考文献から作った中ではあの鎧と剣に対抗するのに尤も適した装備がこれだ・・・」
ヴィッセンシャフトは眼鏡をクイッと直しながらA4サイズほどの大きさのアタッシュケースを手渡した。
小島がアタッシュケースを開けると、中には小型の回転式拳銃が1丁、入っていた。
「おいおい・・・本気かよ・・・」
箱の中身は、M36チーフスペシャルだった。
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