22話 かわらないこと

「はいはーい、少年少女たち!完全下校時刻過ぎてますよー!電気消しちゃいますよー!」

「やべっ!レンちゃんせんせーだ!逃げるぞ!灯夜!」

「えっ、あっ!ちょ!」

「ほら!あおちゃんも行くよ!」

「わーーーー!逃げろー!」

ゾロゾロと教室を後にしながら振り返ると


「ふふ、やっと先生の恐ろしさが解りましたね!ほらほら逃げろ逃げろー食べちゃいますよー」

と言いながらポテポテと小走りまで行かない程度のスピードで追いかけてきた。


下駄箱まで逃げると少し遠くから

「気をつけて帰るんですよ〜」

と子供のように手を振っていたため、千恵と碧がブンブン手を振って応えていた


「ところでさ、なんでちぃはコンビニの袋持ってるんだ?」

「これね?これは真白くんのお水バックに入れようとしたら邪魔だったから出しただけよ?」

ガンダで行ってガンダで帰ってきたぜ!(`・ω・´)

と肩にかけていたトートバッグから桃風味の水を取り出して手渡してくれた


「ありがと…ってか、浅川ってその小さい体格のどこにそんな体力秘めてるんだ?」

「小さい言うな!」

「そうだぞ!ちぃをちっちゃいって言えるのは俺の特権なんだぞ!」

「せーじも言うな!」


中学の頃から続けている一連のムーブをしていると、碧がクスっと笑った

「みんな本当に仲がいいんだね〜」

「ん?まぁ俺らを引き裂こうとするヤツらはみんな灯夜が徹底的に仕返しするしな」

「そんな人聞きの悪い言い方をするなっ!」

「あいたっ!」

誤解を招くような言われ方をしたため、軽く脇腹を小突いてやった


「僕は勝てない相手には挑まないよ。ただ、吐き気のするような奴らには容赦なくメンタル壊しに行くけど。」

「そういうとこだぜ、おにーさん…」

「私、灯夜くんを敵に回さない方が良いと思った。」

「いや、マジ敵に回さない方が良い!コイツこう見えて結構尖ってるから」

「尖ってない………はず…」


「本気で私たちとの関係を大切にしてるんだよね」

何気のない千恵の一言でおかしくなった雲行きが一気に晴れた


「いや、まぁ……口にして言うな恥ずかしい…」

「照れてる真白くんて可愛いんだよなぁ〜」

「幼稚園児の頃から変わってないよなぁ〜ともやぁ〜」

「やめろ!くっつくな!暑苦しい!」


熱いのは耳だった

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