14話 きめごと、おしごと
一連の通常授業を終え、
「毎週水曜日はロングホームルームなのでちゃんと残るのですよ〜」
と昨日言われて居たため、翌日にいきなりホームルームが開催された。
「早速ですが今日はクラスでの決め事や委員会などを続々と決めていきます〜」
クラス全体がガヤガヤし、各々が主張を始めた。
「みなさん静粛に〜!まずは学級委員を決めていきます!」
先生が指揮を取ろうとピョンピョンしている。
「みなさん静かにしないと先生が独断と偏見で決めちゃいますよ!」
その一言でクラスメイトたちが一斉に静まり返った。
「みなさんが静かになるまで8分かかりました……というのは置いといて、誰か立候補や推薦のある人は居ますか?」
と言う問いかけに1人の男子生徒が答える
「里仲さんがいいと思いまーす。俺らのママみたいなもんだし」
「あっ、えっと…え?え?」
不意打ちに我らがママはオロオロしてた。
「里仲さんがそれでいいなら女子は暫定になりますが男子は誰がやりますかー?学級委員は男女ペアじゃないとダメなんです〜…お?」
ふと周りを見てみると、クラスメイトが僕に視線を集めていた。
誠二が僕を指さして「こいつがいいんじゃないか」と無茶ぶりを吹っかけてきた。
「ん?僕?え、いやいやいやいやいやいや…」
「どうです、ましろくん。ふかみくんの熱い推薦もらってますよ」
ニヤニヤとしながら先生が近づいてきた。
「や……れば良いんだろ……」
不快なまでの圧力に負け、承諾してしまった。
「はいっ!じゃあ学級委員は里仲紫織さんと真白灯夜くんに決定です〜!はい拍手〜ぱちぱち〜」
「よろしくお願いしますね、委員長」
気付いたら委員長にまでさせられていた。
「まぁ、生徒会役員になるつもりだったし…都合いいか…」
これもひとつの踏み台にしてやろうと僕はそう思った。
「では、委員長くんたちには今後の進行を任せます。先生は推しのライブ観てるので滅多なことじゃない限り呼ばないで下さい〜」
ホームルームなんてものは無くなってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます